きのう(12月23日)の続き――。拝殿・参道・鳥居と連なる先から昇る朝日を拝んだ。思わず手を合わせた。「一陽来復」の冬至の朝日こそ「初日の出」なのだと実感した。
冬至(12月22日)の日の出が曇っていて見られなかった。日中は晴れたので、「ならば日の入りを」と待ったが、これも雲が広がっていて見られなかった。
モヤモヤした気持ちのまま一夜が明けた。朝5時前に起きて庭に出ると、東の空に星がまたたいていた。晴れてる!
冬至や夏至、春分・秋分の日を中心にした「聖地のレイライン(光の道)」は、なにもその日だけの現象ではない。その前後何日かは見られる。よし、行こう――。6時前、「レイラインを見たい」といっていたカミサンを起こして、いわきの中心市街地・平の西方高台にある子鍬倉神社へ車を走らせた。
境内に八坂神社がある。冬至の朝、拝殿と参道、鳥居を結ぶ線の先から朝日が昇る配置になっている。それを確かめたかった。
きのうのいわきの日の出の時間は6時47分。6時20分すぎには境内に着いた。まだ薄暗い。歩を進めると、スズメと思われる小鳥が地面を這うように逃げて行く。まず、八坂神社に参拝する。「写真を撮らせてもらいますよ」
振り返って参道・鳥居のラインを確かめると、真ん中奥に大木が立っている。樹皮は杉に似る。常緑だが、下部は枝打ちされたためかすっきりとして、上部の枝葉だけが扇状に広がっている。
撮影データから時間を追うと――。6時22分、東の空は下部がほんのり赤みを増しているだけ。同54分、オレンジ色がさらに増し、大木のやや左、奥の木々の間で一部、白銀のように明度を増すところが現れた。やがて、そこが黄金色になったかと思うと、赤々と輝き、光線が放射状に伸び始める=写真上1。まさしく鳥居の真ん中から朝日が昇ってきた。「一陽来復」の生まれたての朝だ。
拝殿の中は、と振り向けば、「奉祝 天皇陛下御在位三十年」の立て看らしいものに朝日が当たっていた=写真上2。天皇陛下の誕生日でもあった。
昔は、元日の朝ではなく冬至の朝が初日の出だったことを、聖地研究家の内田一成さんが22日のレイライン講演会でいっていた。一日遅れとはいえ、「冬至のご来光」を拝むことですがすがしい気持ちになった。節目の日の朝日との一体感。そう、ちいさな家庭菜園で土いじりをしている私にも、これから日が伸びていく一陽来復こそが「初日の出」だと実感できた。
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