2018年12月3日月曜日

久しぶりのカツ刺し

 師走最初の日曜日(12月2日)、夕方。いつもの魚屋さんへ刺し身を買いに行く。
「またサンマ?」。カミサンが不満げに言う。カツオがない以上は、サンマとタコ、あるいはサンマとヒラメ、ホッキ貝の刺し身にする、しかない。「きょうはタコとイカにするか」。私もサンマには少しあきていた。

 店に着くなり、若だんながささやくように言う。「カツオ、あります」「えっ、いいねぇ!」。マイ皿を渡すと、一筋プラスαを切って、皿からあふれるくらいにカツ刺しを盛ってくれた=写真。「脂は少ないけど、まずくはないです。あしたも食べられます。銚子の船が一本釣りでとったものです」。値段は? いつもと変わらなかった。(出血サービスだな、これは)

 戻りガツオを追っていた船はとっくに南へ去った。それでこの1カ月、サンマ主体の刺し身になっていた。晩秋から初春までは、カツオ以外の刺し身になる。それはしかたない――と思いつつも、カツオが恋しくてならなかった。

 カツオの刺し身とサンマ・タコ・イカ・ヒラメの刺し身の違いは何か。刺し身だからそれぞれにうまいのだが、ボリュームが違う。カツ刺しは皿に盛り上がるようになる。が、サンマたちは平べったい。同じ値段でも量が少ないから、満腹感には程遠い。

 久しぶりににんにくをおろす。わさびを混ぜる。カツ刺しをつける。口に入れる。たしかに脂は少ない。が、12月なのに初夏のカツオのようにさっぱりしている。隣に住む義弟を交えて3人でつついたが、3分の1はあまった。「あしたも食べられます」。若だんなのいうように、5切れほどはけさ、“海鮮丼”にして食べた。それでも残ったから、残りはにんにくで揚げてもらう。

カツオの刺し身があると、いつもいわきで暮らしているしあわせを思う。

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