2010年9月13日月曜日
寺巡り
朝起きたら、雨。晴れなら「晴耕」、雨なら「雨読」ならぬ「雨覧」――と決めていたので、きのう(9月12日)は牛小川(夏井川渓谷)行きを中止し、「いわきアート集団美術展」が開かれている3つの寺を巡った。そんなことでもなければ寺を訪ねるようなことはない。いい機会でもあった。
地図を頭に入れて、時計回りに会場を巡った。まず、好間北好間・龍雲寺。曹洞宗だ。カーペット敷きのしゃれた客殿が会場である。折りたたみ座卓テーブルに小品がずらりと並んでいた=写真。次は、平赤井・華蔵院。真言宗である。ここの客殿も素晴らしい。最後は平下平窪・安養寺。浄土宗だ。
どの寺にも独特の空気が漂っていた。龍雲寺では本堂で写経と座禅の会が開かれていた。華蔵院では本堂での法事が終わったばかりだった。安養寺の住職はカミサンの同級生。作品を見終わったあと、小一時間、住職夫妻と雑談をした。ぬか漬けの話になった。酸っぱくなった古漬けが好き、いや浅漬けが――と、共に夫婦で好みが違うのが面白かった。
ギャラリーや美術館の空間と違って、寺は建物の外に広がる庭、境域も含めて聖なる空間だ。旧知の住職は副住職にバトンタッチをしたが、早朝の庭掃除を欠かさない。修行の一つだという。それが寺の作法でもあるのだろう。
寺で展覧会をするということは、こうして外の庭をも含めて、聖なる空間で作品を見てもらうということだ。寺という空間が持っている静謐さ、聖性、それに対応できる作品たり得るか――。厳しいといえば厳しい環境だ。焼き物とは無縁と思っていた旧知の女性の作品(陶の小品)が、そういう意味では光っていた。
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