2010年9月29日水曜日
「じゃんがら」講座
いわき地域学會の「じゃんがら」を学ぼう講座がはじまった=写真。この秋、3回の講座を実施したあと、11月5日にいわき芸術文化交流館「アリオス」小劇場で「じゃんがら」伝承祭りinいわきが開かれる。
座学だけでなく、「じゃんがら念仏踊り」の実演と解説を通して「じゃんがら」の歴史と魅力に迫ろうという、今までにない試みだ。文化庁の平成22年度地域伝統文化総合活性化事業に採択された。
と、客観的に書いているが、主催する側の一人で、事務局をあずかっている。ちょっと前まで「講座」の聴講申し込みはがきが毎日届いた。今は、「伝承祭り」観覧希望のはがきが舞い込む。
いわき市は昭和41(1966)年10月1日、常磐地方の14市町村が合併して誕生した。日本一の広域都市(現在は10位)だ、地域の垣根が残っていてなかなか一体化ができない――そんな議論が何年も続いた。
ところが、伝統芸能である「じゃんがら念仏踊り」に関していえば、いわき市はすっぽり「じゃんがら文化圏」に入る。一体化できないどころか、いわき市民は「じゃんがら」で一つになれる。
「じゃんがら」の鉦の音、それはいわきの音。「じゃんがら」のリズム、それはいわきのリズム。「じゃんがら」の歌、それはいわきの歌。いわきを代表する音・リズム・歌のすべてを「じゃんがら」は含む。いわきの人間は母親の胎内にいるころから、「じゃんがら」の鉦の音とリズムと歌をゆりかごにして育つのだ。
「じゃんがら文化圏」を少し外れたところで生まれ育った私には、いわき地方に伝わる「じゃんがら」はうらやましい存在だった。いわきに根を生やして40年になる今は、「じゃんがら」がいわき人の血と肉を形成していることを実感する。観覧申し込みのはがきの多さにたじろぐくらいだ。
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