「夏休みの子どもの絵日記みたい」。最近の小欄についての、カミサンの“お言葉”だ。内心「コンチクショウ」と思いながらも、返す言葉がない。
どこでなにをした――のオンパレード。それに、8月5日から一日を除いて書き出しが「きのう」になっている。「きのう、どこでなにをした」。「きのう」でなかった日は「きょう」だ。暑さのせいだな、これは――自分を慰めてはみたものの、ワンパターンに陥っているのも事実。
ということで、きょう(8月11日)は書き出しを変えてみた。でも、「まくら」を取ると、また同じ書き出しになった。
――きのう午後、いわき・ら・ら・ミュウ向かいの新小名浜魚市場=写真=3階大会議室で「いわき創生戦略会議」の2回目の作業部会が開かれた。「まち・ひと・しごと創生法」に基づいて、いわきの目指すべき姿・方向性を、まちづくり・ひとづくり・しごとづくりの3つの作業部会に分かれて議論するもので、私はまちづくり部会に所属している。
6月、月1回のペースでいわき駅前のラトブ6階、いわき産業創造館で会議が始まった。3回目の今回は小名浜。次回以降は山間地でも開催予定という。ハマ・マチ・ヤマのいわきの地域構造を理解するには悪くない。
いわき市は昭和41(1966)年10月1日、5市9町村が合併して誕生した。来年(2016年)、市制施行50周年を迎える。かつては日本一の広域都市だった。「平成の大合併」のモデル都市のひとつになった、と私は勝手に解釈している。
この欄でもたびたび言っているが、いわき市全体を見ようとしても広すぎて見えない。で、3つの流域(下流部に人口集中地区=平・小名浜・勿来がある)と、ハマ・マチ・ヤマを組み合わせた「3極3層」としてとらえると、広い行政圏が身近な生活圏のレベルで見えてくる。
きのうの作業部会でも、いわきの地域構造を踏まえた議論をしようと、若い人に提案した。そうしながら、「3極3層」観を発展させた「9つの窓」観の方が若い人にはよりわかりやすいかな、とも思った。
創生戦略会議が始まってから考えるようになったことだが、いわきという正方形の市域に縦、横各3本の直線を引くと「9つの窓」ができる。いわき地域を「9つの窓を持った正方形」と見たらどうか、ということだ。
下からハマ・マチ・ヤマ、左から鮫川・藤原川・夏井川(大久川を含む)流域の軸。「ハマ・鮫川」という小窓がある。「マチ・藤原川」という小窓がある。「ヤマ・夏井川」という小窓がある。
それぞれの窓には地域固有の課題が映っている。もちろん、横に共通のもの(ハマの漁業、ヤマの高齢化・過疎化など)、縦につながるもの(上下流の関係)もある。いわきの目指すべき姿・方向性は、この「9つの窓=マルチ画面」に映し出されている。そこから優先すべきものをどう選び出すか、だ。
小名浜魚市場は津波で被災した。漁業自体も試験操業レベルの厳しい状況にある。が、漁業復興へ向けて新しい魚市場が稼働した。
鮮魚を扱う閉鎖式の施設らしく、空調システムは最高レベルにちがいない。時折、窓の外を横切るウミネコを眺めながら、若い人と議論を進めているうちに「9つの窓=マルチ画面」が見えてきたのは、快適な空調のせいだったか。ただ、議論を深めるには時間が足りない。
0 件のコメント:
コメントを投稿