茶の間のカウチにすわって本を読んでいたら、いつの間にか左腕に直径5ミリほどの黄色い粉のかたまりが付いていた。見た目は〝きなこ″。振り払うと、また左腕に〝きなこ″が付いた。
おかしい。腕の中から〝きなこ″がわきでるはずはない。上から降ってきたのだ。頭上にあるのは天井だ。天井板を支える竹筒に何カ所か穴が開いている=写真。天井板にもすきまができている。
およそ20年前、その竹筒の穴で起きた、ハチによるハチへの〝襲撃事件”を思い出した。
天井の竹筒にジガバチモドキらしいハチが巣穴を開けた。ジガバチモドキは野外で小型のクモを狩り、巣に運んで幼虫のえさにする。
その巣穴を襲撃するハチがいた。ルリジガバチらしかった。巣穴からクモをくわえては捨てている。ポトリ、またポトリ。しばらくたつと、茶の間の畳の上に体長2~3ミリのクモの子がいっぱい転がった。
竹筒の巣穴を見たが、穴のヘリには〝きなこ″のようなものはなかった。しかし、その後もカウチのカバーのへりに〝きなこ″が落ちて、一筆でさっとやったようになっている。竹筒ではなく、天井板のすきまから落ちてきたのだろうか。そこに、〝きなこ″を落とす何かがいるのだろうか。
なぜこんなことが茶の間で? 家はすきまだらけ。3・11後はさらにゆるくなった。もともと夏には戸と窓を開けておく。室内が庭の延長になる。虫たちには次世代を生み育てるマンション、と映るのか。しかし、〝きなこ"が降ってきたのは、その日一日だけだった。
今年は、キイロスズメバチは営巣しなかった。天井の竹筒の巣穴を出入りするハチも見ない。おととい(8月21日)はジガバチが茶の間に現れたが、すぐ姿を消した。
曇りが続いた天気も、きのうは晴れて急に暑くなった。室温は朝のうちに30度を超えた。夜10時前には雨になった。それでも、縁先ではさかんに虫が鳴いている。茶の間にはコオロギとゴキブリ。戸と窓を全部閉めて寝ると、朝まで熟睡できた。蚊取り線香も焚かずに蚊に刺されずにすんだのは、今夏初めてだ。
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