5泊6日のロシアの旅から帰ると、カツオの刺し身が待っていた。電話をして届けてもらったのだという。帰宅は日曜日(8月7日)の夜8時半すぎになる。行きつけの魚屋さんはとっくに閉まっている。一日遅れて月曜日に食べようと覚悟して帰って来たのだった。
文化に優劣はない、違いがあるだけ。でも――カツ刺しを食べるのは、いつものとおり(毎週日曜日)なのだが、違う文化の世界に身を置いてきただけに、いわきの味が何ともおいしく貴重なものに思えた。
旅のあれこれは、あした以降、詳しく報告したい。その前段として、日本へ戻ってきたときの安堵感に触れておきたい。コミュニケーションが通じることのありがたさ、と言い換えてもいい。成田空港の税関はもとより、仲間と「解散式」を開いた空港ビル内の食堂でも、鉄道の駅でも日本語で用が足せる。これが日常というものなのだろう。
ロシア語は私を含めて仲間4人の誰もが読めず、話せない。だから、日中は日本語ガイド兼通訳に案内を願ったわけだが、それでも取りまとめ役の幹事はかなりストレスを感じていた。都会でも英語が通じないのに、今回は観光地とは言い難い片田舎を巡ったからだ。
「ディスコミュニケーション」を一般的な意思伝達不全状態ととらえれば、その反動だと思う。空港からは初めて鉄道(京成電鉄のスカイライナー)を利用した。ときどき沿線の看板が目に入る。意味が読み取れる! ロシア語の世界に身を置いて、コミュニケーション不全に陥っていた人間の、この反応がおかしかった。
特急ひたちから降り立つと、いわき駅前では「平七夕まつり」にあわせて盆踊りが開かれていた=写真。
車内アナウンスでは、水戸駅構内が「水戸黄門まつり」で混雑している、勝田駅でも「ロック・イン・フェスティバル」で駅が混雑している、という。当然、終着のいわき駅でも「平七夕まつり」で混雑していると、半分はPRを兼ねたアナウンスをするのかと思ったら、ない。それはないだろう! コミュニケーションがとれるからこそ抱いた不満だった。
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