8月2~7日にサハリン(樺太)とシベリア大陸のウラジオストク・ナホトカを旅した。なんでサハリンへ? 拙ブログを読んだ友人から友人に話が伝わったらしく、「ミニミニリレー講演会でサハリンの話をしてくれ」となった。この何十年、頼み頼まれる関係なので、断るわけにはいかない。
新聞でいえば、連載記事のスタイルでブログを書いた。それを基本に、レジュメをつくる。タイトルは「サハリン――賢治と自然と戦争」。ゆうべ(9月28日)、新聞記者のサハリン取材報告会のつもりで臨んだ。
いわきの地域づくり活動を応援する市民の横断的組織「いわきフォーラム’90」が月2回のペースでミニミニリレー講演会を主催している。私で448回目だ。めざすは1000回――。これには、私もいささか責任がある。昔も昔、いわき民報のコラムに同講演会を取り上げ、1000回をめざすくらいの気持ちで続けてほしい、といったことを書いた。
それと前後して(と思うのだが)、阪神・淡路大震災がおきて3カ月後、手を挙げてこの講演会の話者になった。小2のときに自分の町が大火事に遭い、すべてが灰になったときから家を再建し、借金を完済するまでの親たちの二十数年間を振り返りながら、阪神・淡路のこれからを、長い年月とともに変化する子どもの心を見守っていきたい、といったことを話した。
別件で“冬眠資料”を探しながらダンシャリしていたら、そのときのレジュメが出てきた。「貧困の発生」(大人)や「無意識の我慢」(子ども)「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」などにも触れていた。「あなたは自分の体験を話すことでやっと大火事から解放されたのね」と、受講者の一人に言われたことを思い出す。
それから21年と6カ月ぶりの再出番だ。この間にはいろいろあった。東日本大震災の衝撃がやはり大きい。それでも負けずにミニミニリレー講演会は続いている。
組織自体が1990年にできた。今年(2016年)で26年目。講師も、民法学の東大名誉教授や元知事から福祉施設の職員まで、有名無名を問わない。地域社会を構成するさまざまな仕事・暮らし・文化などについて市民が話し、市民が聴く――息の長い市民レベルの小講演会としては、「ギネス級」ではないか。
雑談に入って、レジュメに載せた植物「ガラガラソウ」(ゴマノハグサ科のオクエゾガラガラ)について質問された。写真を何枚か回覧したが、花は宮沢賢治の詩に出てくるヤナギランだけだった。ガラガラソウをアップする=写真。海に面した小丘に石製の鳥居が残っていた。神社跡へ向かう斜面の草むらに群れ咲いていた。よく見ると変な花だ。そばの小さな花はアキノキリンソウか。
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