2016年10月29日土曜日

蚊に刺された最後の日

 水曜日(10月26日)は、いわき市山田町で最高気温が25.9度あった。小名浜でも22.2度。沿岸部はともかく、いわきの内陸部は夏日だった。それが一転、きのう(28日)は小名浜で最高気温が13.8度と、11月下旬並みに下がった。山田は12.6度とさらに冷え込んだ。初めて石油ストーブを使った。
 10月下旬でも夏日になる日があるため、蚊がなかなか姿を消さない。私は自宅を“フィールド”に、蚊に刺された最初の日と最後の日を記録している。それによれば、わが家では5月20日前後に蚊が現れて人間を刺し始める。最後に「チクッ」とやって姿を消すのは10月下旬、20日ごろだ。

 20日―この日も暑かった、小名浜で27.2度の夏日を記録した―を過ぎたので、もう「チクッ」からは解放されると思っていたが、おとといも気温が20度を超えた。カミサンが庭仕事をしていて蚊に刺された。きのう午後、来宅した知人も同じ日に刺された、といっていた。「蚊に刺された最後の日」が10月20日から1週間伸びて10月27日になった。

 そこから、急な寒暖、紅葉の話になった。テレビではこの時期、「紅葉情報」が流される。カエデのマークで程度が示される。つまり、「カエデの紅葉度」を伝えているわけだが、視聴者はカエデよりも、山が紅葉しているかどうかを知りたいのだ。現に、夏井川渓谷では広葉樹の紅葉がピークを迎えつつある=写真。
 
 この紅葉が終わるころ、ようやくカエデの葉が赤くなる。渓谷の名勝「篭場の滝」に歌碑が立つ。「散り果てゝ枯木ばかりと思ひしを日入りて見ゆる谷のもみぢ葉」(作者は随筆家大町桂月)。落葉樹の普通の紅葉を見たい人には、カエデの紅葉は「あとの祭り」のようなものだ。
 
「紅葉情報」はカエデの葉のマークだけでなく、ふんわりした広葉樹の葉も加えて、例えば夏井川渓谷の場合、「広葉樹は赤、カエデは緑(あお)」と表示してはどうか。テレビが紅葉情報を伝える季節になると、決まってそう思う。

 蚊の話に戻る。11月に入っても蚊に刺されるようだと、「蚊に刺された最初の日」も早まる可能性がある。蚊の活動期間が長くなる。これは困る。だから、私の中では「11月チクッ」が現実に起きたら大ニュースだ。地球温暖化を示す身近な例になる。

 10月10日付朝日新聞に「デング熱運ぶ蚊 青森まで北上」の記事が載った。国立感染症研究所の調査でヒトスジシマカが今夏、青森県内に生息域を広げていたことがわかったという。ヒトスジシマカは、年平均気温が11度以上の地域で定着する可能性があるらしい。で、昭和25(1950)年ごろの生息域は栃木県が北限だったのが、温暖化の影響で北上を続け、ついに本州北端に達した。津軽海峡を超えるのも時間の問題か。

 専門家は「家にある植木鉢の受け皿やバケツなどにたまった水も発生源になる」と注意を呼びかけている。わが家の庭が……怪しい。

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