2016年10月4日火曜日

托鉢姿に元気をもらって

 朝8時前、車でいわき市平の中神谷から下平窪へと中塩地内の田んぼ道を通った。「あっ、きょうは月初めの日曜日だったな」。網代(あじろ)笠をかぶり、墨染の法衣をまとった坊さんがこちらへ向かって歩いて来る=写真=のを見て、反射的に思った。
 中塩の山すそ、農業用水路の小川江筋沿いに禅寺がある。毎月最初の日曜日早朝、住職が近隣を托鉢して回る。檀家などから寄せられた布施を、社会福祉などに寄付している。私が現役のころ、定期的に住職が職場(新聞社)へ浄財を持参した。

 日曜日の早朝に車を走らせるのは夏井川渓谷の隠居へ行くためだ。去年(2015年)5月最初の日曜日にも、住職が托鉢へ出かけるところに遭遇した。道の先の民家の庭にはお年寄りが立って住職を待っていた。

 同じ月初めでも、10月は年度の折り返し時期。何かと気ぜわしい。行政区関係だけでも市に届ける書類の作成、保健衛生関係の負担金の手配などがある。加えて、公民館の後期市民講座が始まる。安請け合いをしてしゃべる場所を増やしたために、9月後半以降、毎日、レジュメづくりに追われている。

 そこへ今年(2016年)は、いわき市が誕生して50年の節目の年だ。“誕生日”の10月1日を中心に、さまざまなイベントが展開された。実行委員としてかかわった「いわきを繋ぐプロジェクションマッピング」が1日夜、いわき駅前で実施された。
 
 1日は朝、近くの公民館で清掃作業が行われた。それをすっかり忘れていた。というより、前日、臨時に届いた回覧資料を加えて、住民に配る行政資料の振り分け・配布をすませると、すぐレジュメづくりを再開した。「すっぽかし」に気づいたのは夕方だった。10月の声を聞いたとたん、どっと「締め切り」が迫ってきた。そちらに引っ張られて、余裕がなくなっていた。

 2日の日曜日には夏井川渓谷の隠居でやることがある。三春ネギの種まきは、渓谷の住民のアドバイスに従って10月10日ごろと決めている。そのためにはあらかじめ苗床をつくっておかないといけない。10月最初の日曜日を逃したら、種まきが遅れる。

 前日の「清掃すっぽかし」が尾を引いて、欝々しながら車を運転していると、托鉢姿の住職を見て元気が出た。できないことをしようとするからほころびがおきる、できることをするだけ。自分で決めた務めを粛々とこなす人に刺激されて、せめて三春ネギは種を切らさずに「自産自消」を続けようと、自分に言い聞かせた。

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