2016年10月12日水曜日

ハクチョウの渡り

 この2、3日、急にこたつが恋しくなった。先週末の10月8日には、猪苗代湖にハクチョウが飛来した。コハクチョウ2羽、ほかにオオハクチョウ3羽を確認したそうだ(福島民報)。道理で。でも、コハクチョウより飛来が遅いオオハクチョウが同時に姿を見せるとは――。
 猪苗代湖に飛来すると、ほどなくいわき市の夏井川にもコハクチョウが現れる。街からの行き帰り、夏井川から目が離せなくなった。
 
 今までの記録をみると、夏井川には10月10~29日にハクチョウが飛来している。記事によれば、猪苗代湖への飛来は去年(2015年)より一週間ほど遅い(自分のブログでは5日遅れだが)。
 
 去年はそれから夏井川へやって来るまでに意外と時間がかかった。その時間差を当てはめると、2週間ほどあと、20日あたりか。ま、生きものの行動は予測がつかない。きょうかもしれないし、ずっとあとかもしれない。

 ハクチョウの越冬地は、いわきの夏井川では3カ所。平・中平窪、小川町・三島、そして一番下流の平・塩~中神谷地内だ。その塩の対岸、夏井川と合流する新川直下で細長い河畔林(竹林)の伐採作業が行われている=写真。面積はそんなにないから、ハクチョウが飛来するころにはきれいに払われていることだろう。

 一帯ではこれまで、両岸で「(夏井川筋)河川拡幅工事」と「(夏井川筋)広域基幹河川改修工事」が行われてきた。その延長にちがいない。

「台風や豪雨でも安全な川を整備する」のが工事の目的だが、野球場ができるくらいに広くなった河川敷は、今どうなっているか。岸辺にヤナギが密生し、かえって前より川幅が狭くなった感じを受ける。“川中島”も何カ所かできた。草が密生する、やがてヤナギが生えてくる――そうした自然のサイクルを実見できる格好のフィールドだ。

 それはまあおいて、北極圏で子育てを終えたハクチョウは秋、サハリン(樺太)~北海道~本州コースで南下する。
 
 今年8月初旬、サハリンを旅し、宮沢賢治が「銀河鉄道の夜」の発想を得たとされる白鳥湖の岸辺に立った。南下・北上の途中でハクチョウたちが集結する。この湖を訪ねたおかげで、ツンドラ地帯から日本列島へと南下するハクチョウの渡りのコースをイメージできるようになった。サハリンは、地形的には日本列島の北端、だということも。

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