現役のころは、日曜日は日曜日だった。連休も3連休も自分のためにあった。今は波がある。10月はほぼ週末、予定が入っている。この3連休(8~10日)はダブルヘッダーになった。
土曜日=午後・いわき地域学會主催のいわき学検定立ち会い、夜・行政区の役員会。日曜日=朝・出羽神社祭礼、昼・アート集団展を見たあと、夏井川渓谷の隠居で三春ネギの種まき。月曜日=吉野せい賞関係の文章書き。午後・遅れて届いた「広報いわき」ほかの回覧資料振り分け・配布。
「三春ネギは毎年10月10日(前後)に種をまく」と、渓谷の住民に教わった。私の「体育の日」は「三春ネギの種をまく日」だった。ハッピーマンデー制度ができてからは、10月第二月曜日が体育の日になったので、三春ネギの種まきは10日に近い日曜日と決めている。いわき市内で魅力的なイベントがあっても、まずは街を離れて種まきだ。
三春ネギは、その名からして田村地方から小野町を経由して夏井川渓谷の集落に伝わった。郡山市の「阿久津曲がりネギ」と親せきだろう(このネギも秋まき)。春に種をまくいわきの平地のネギとは種類が違う。
田村地方では曲がりネギにする。そのネギを食べて育った。20年ほど前、集落の住民から苗をもらい、育て、種を採ったものの、3年ほど種の保存に失敗した。種は冷蔵庫で保存する、と知ってから、やっと自前で採種・播種ができるようになった。
ふるさとの習慣に従って夏に掘り返し、「やとい」(斜め植え)をして曲がりネギにした。最近知ったことだが、集落ではそんなことはしない。定植したまま、まっすぐの一本ネギにする。曲げるかまっすぐにするか、まっすぐなら手抜きができる。年も取ったし――というわけで、今年はまっすぐのままにした。
三春ネギは甘くてやわらかい。その味に再会してからは、白根が長くテカテカしている太ネギは夏場以外、ほとんど買わなくなった。
渓谷の森が赤く染まり始めるころ、小野町の農業Nさんが、JR磐越東線江田駅近くの県道沿いで曲がりネギと長芋を直売する。何年か前、阿久津から苗を買って栽培しているという話を聞いた。やはり、甘くてやわらかい。
おととい(10月9日)、いつもの場所にブルーシートを張って屋根にするためのパイプが組み立てられてあった。震災前は、週末、地元のおばさんたちも路地で野菜やキノコ、塩蔵フキなどを売っていたが、道端直売所は、今はNさんくらいになった。
自分のブログで以前の種まきの様子を確かめたら、仕上げにもみ殻を敷き詰めている。苗床の乾燥防止と冬場の保温のためだ。物置にもみ殻が残っていたことを思い出す。ひまをみて車を飛ばし、種にもみがらのふとんをかけてやろう。
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