三春ネギは、種をまいて1週間も過ぎれば発芽する。今年(2016年)は10月9日に種をまいた。1週間後の日曜日(16日)は神谷公民館まつりがあって行けなかった。どんな様子か、案じられた。
2週間後のきょう、日曜日(23日)は、朝6時半から「秋のいわきのまちをきれいにする市民総ぐるみ運動」が行われる。行政区内で出たごみ袋を数えて役所に報告しないといけない。午後には、若い人たちが企画した「いわきまちなかアートフェスティバル『玄玄天』」のイベントの一つ、「いわきの現代美術の系譜」と題したシンポジウムが開かれる。登壇者の一人として加わる。芽ネギの様子を見に行くゆとりはない。
平日ならいつでも様子を見に行ける、と思っていたが、平日は平日で用事があるものだ。ガマンして、ガマンしきれなくなって、きのう朝、夏井川渓谷の隠居へ車を飛ばした。すぐ三春ネギの苗床をチェックする。緑の筋ができていた(種を筋まきにしたのでそうなる)。まずは安心だ。昔野菜のネギを食べながら保存するサイクルがつながった。
ネギの芽生えは変わっている。黒い種の殻から出てきた芽はいったん上向きに伸び、やがて根の部分と茎の部分が屈曲し、根は下へ、下へと向かっていく。茎の方は屈曲した状態で上へ伸び、ヘアピン状のまま地上に現れる。それから地中の黒い殻を持ち上げる。
このときの芽ネギがおもしろい。播種から2週間。地上に現れた芽ネギは高さ5センチほど。物置からむしろを引っ張り出して苗床のそばに広げ、腹ばいになって観察する。芽ネギは黒い殻を付けたまま、数字の「7」や「?」になっている、ひっくり返った四分音符に見えるものもある=写真。やがて黒い殻は脱落し、茎は針のようにピンと一直線になる。この“おたまじゃくし”を見に来たのだ。
防寒用にもみ殻を敷き詰めるとトンボ帰りをした。午後は、カミサンが同期会へ出かけた。車で送り届け、米屋の店番をしながら調べ物をした。今年(2016年)の10月はとりわけ忙しい。そのなかで三春ネギの種をまき、発芽を確認した――というだけで気持ちがみたされた。
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