いわき市常磐の温泉旅館・古滝屋でおととい(2月22日)夜、ブッドレア会の総会・懇親会が開かれた。総会資料=写真=には4年分の収支決算・事業報告と、29年度の予算・事業計画が盛り込まれていた。
同会は文化と福祉のボランティア団体で、昭和57(1982)年に故里見庫男さんが中心になって設立した。里見さんは古滝屋の社長を務める一方、いわき地域学會の初代代表幹事となり、いわき商工会議所の副会頭にも就いた。
里見さんの死後、東日本大震災が発生した。温泉旅館は原発事故収束作業員の宿舎になった。震災から復旧した古滝屋へは、関係するシャプラニール=市民による海外協力の会の被災地ツアー食事会や、交流スペース「ぶらっと」のクリスマス会などでお邪魔したほかは、すっかり足が遠のいた。
ブッドレア会も震災や会員の高齢化などが活動に影響したのだろう。4年ぶりの総会は、会の再出発を確認する決意の場のようにも感じられた。地元・常磐に住む会員とは震災後、初めて顔を合わせる人が大半だった。
懇親会では、温泉街の現状を教えてもらった。「温泉旅館から原発関係の作業員の姿が消えた。宿舎が原発の近くにできたから。駅前の商店街も灯が消えたような状態。これからが正念場だ」。かつては平(いわき駅)から二駅目の湯本へ、毎月、飲み会に電車で通った。駅から古滝屋まで10分ほどの通りは、夜ももっと明かりがともっていたような気がする。
それはさておき、ブッドレア会設立時に40歳だった人も、今は75歳だ。マイクを持つと「後期高齢者になった」というあいさつが続いた。ボランティアの最前線は若い世代にまかせ、サブとして活動する――そういう時期にきたようだ。
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