2017年2月10日金曜日

ハクチョウのいる中州も白く

 雪が降っても用事は待ってくれない。車は雪をかぶったが、アスファルト路面は黒く濡れているだけだ。スタッドレスタイヤもはいている。朝10時前に印刷会社と銀行へ出かけた。
 きのう(2月9日)、いわき地方は早朝から雪になった。雪は細かいが、湿っている。街からの帰り、夏井川の堤防を通った。家の屋根も土手も、畑も河原も白くなった。新川との合流点、ハクチョウの越冬地に6羽が羽を休めていた=写真。小さな中州も雪をかぶっていた。

 左岸は平・塩、右岸は平・山崎。左岸ではときどき、たまった砂を採取するために重機が入り、ダンプカーが行き来する。最近も砂採取が行われた(土建業者は砂がほしい、川を管理する県の建設事務所は砂を除去したい――ウインウインの関係なのだろう)。この冬は右岸でも道路拡張のための工事が行われている。

 ハクチョウには落ち着かない環境だが、日中は四倉の田んぼあたりでえさをついばんでいる。そのために、朝は鳴きながらわが家の上空を東へ向かい、夕方は逆に東から戻ってくる。昼間、居残っているのはほんの数羽だ。いないときもある。けさは8時前に鳴きながら飛んで行くグループがあった。
 
 中州の近く、川の中央の岩場を休み場にしていたウは、道路拡張工事が始まると姿を消した。ハクチョウはえ付けされて人間に慣れているが、ウはアユなどを食べて害鳥扱いをされる。その差だろう。右岸の工事は、雪で休みだった。久しぶりに静かな昼寝になったか。
 
 ハクチョウは北極圏生まれとはいえ、雪が降り、池沼に氷が張る前に南下する。日本の湖も川も一部を除いて凍りつくほどではない。ハクチョウといえども、雪はあらかた日本で体験するだけではないのか――そんなことを聞いたら、首を縦に振って「ウン、ウン」というかもしれない。

0 件のコメント: