2017年2月4日土曜日

窃盗犯が捕まった

 わが家に泥棒が入ったのは去年(2016年)7月中旬。それから7カ月近く。犯人が捕まったという知らせが届いた。
 店舗兼住宅の店(米屋)の一角に、カミサンが運営する地域図書館がある。ふだんはおばさんたちの茶飲み場。震災後は被災者・避難者の交流サロン「まざり~な」になった。フェアトレード商品も展示・販売している。
 
 7月のある日早朝、カミサンが、茶飲み場の様子がおかしいのに気づく。周りを見たら出窓の外に、中に置いてあった茶わん入りのかごなどが置いてある=写真。フェアトレード商品の売上金5万円ほどがなくなっていた。

 警察に通報した。すぐドロ刑氏が来て調べた。きのう(2月3日)、若いドロ刑くんが来て「犯人が捕まった」とカミサンに告げた。

 去年の大みそか、いわき市好間町の店舗に侵入して捕まった男がいる。20代にコソ泥を始め、シャバと刑務所を行き来しているうちに72歳になった。犯行はこの1年間で50件に及ぶ。そのなかにわが家が入っていた。盗んだ金が多いときには田町で“豪遊”していたというから、主にいわき市をフィールドにしていたか。車上生活者で、車で行き来しながら狙いを定めていたらしい。

 捕まったあと、新聞に載ったというので、図書館へ行ってチェックした。県紙に小さく載っていた。「いわき中央署は12月31日午後8時20分ごろ、建造物侵入の疑いで本籍南相馬市、住所不定、〇〇×容疑者(72)を現行犯逮捕。逮捕容疑はいわき市好間町下好間の店舗に侵入した疑い」(福島民友)

 わが家の店のレジは住まい部分にある。茶の間に近い。それには手をつけなかった。人の気配がするところまで忍び込んで来る度胸はなかったのだろう。派手にやると足が付く。小金(こがね)なら気づくのが遅れる。「鬼平犯科帳」風にいえば、小心な「独りばたらき」だ。

 泥棒にも個性、癖、パターンがあるという。店は、夜8時前には閉める。茶の間の明かりは店には届かない。好間では夜8時20分ごろに侵入して捕まった。わが家にもその時間帯に忍び込んだか。

 コソ泥人生、半世紀。「事実は小説よりも奇なり」で、なぜそうなったのか、どうやって盗みに入る店を、侵入口を決め、カネをかぎわけるのか、じっくり聞いてみたいものだが……。若いドロ刑くんいわく、「罪の意識なんかありませんよ」。なんともうら悲しい犯人逮捕の知らせだった。カネはたぶん戻らない。

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