2017年10月5日木曜日

中秋の名月

 きのう(10月4日)は「中秋の名月」。でも、満月はあした、6日だそうだ。カミサンが玄関の上がり口にお膳を置いた。ハギの花とススキがワインボトルに差してある。木の小皿には薄皮饅頭が1個。 
 宵の6時前。お膳に誘われて庭に出たら、うっすら雲に包まれながら丸い月が輝いていた。ふと、コハクチョウの姿が思い浮かんだ。
 
 テレビの自然番組はたいてい見る。ざっと10日前の9月25日。たまたまだが、BSプレミアムをかけていたら、「ワイルドライフ」になった。シベリアで子育てするコハクチョウがテーマだった=写真。
 
 繁殖地は北極圏のツンドラ地帯。越冬地は日本、その一部がいわきへ来る。第一陣がきのう、猪苗代湖に飛来した。1週間~10日後にはいわきの夏井川に姿を現すかもしれない。きのうは前日と違って冬型の気圧配置になった。晴れて冷たい風が吹き荒れた。
 
 去年(2016年)夏、高専の同級生とサハリン(樺太)を訪ねた。北極圏で子育てを終えたコハクチョウが秋、日本列島へ南下し、春、北極圏の繁殖地へと北上する。その途中、サハリンの白鳥湖などで一時羽を休める。宮沢賢治は白鳥湖を見て「銀河鉄道の夜」を発想した。
 
 長谷川博著『白鳥の旅――シベリアから日本へ』(東京新聞出版局、1988年)によると、コハクチョウは北極海沿岸から北緯60度の間のツンドラ帯で営巣・育雛する。3月中旬以降の北帰行は、月光が輝く夜の場合もある。満月の晩に鳴きながら、わが家の上空を通過したこともたびたびだ。

 すると、その逆、あしたあたり満月を利用してコハクチョウの群れがサハリン、北海道へと南下してくるかもしれない。銀河鉄道の列車とともに。

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