2018年8月17日金曜日

精霊送りで一区切り

 月遅れ盆のしめくくりは8月16日朝の精霊送り。わが区では、区の役員が県営住宅集会所前の庭に祭壇を設けて、早朝6時から“精霊舟”を受け付ける。9時前にはごみ収集車がやって来る。いわき市では環境美化の観点からそうしている。
 おととい(8月15日)の夕方、集会所の庭の草刈りをしたあと、四隅に青竹を立てて縄を回し、杉の葉とホオズキをつるした=写真上1。結界のなかには座卓を利用した安置所をもうけた。

おととし(2016年)からは祭壇正面の位置を道路側に替えた。それまでは道路に並行して正面があった。正面に立つには石段を三つ上らないといけない。足の不自由なお年寄りは手すりにつかまり、やっとの思いで焼香台の前に立つ。それを見ていた役員の発案で正面を90度ずらし、道路からじかに焼香できるようにした。

今年は「ここまで歩いて来るのさえやっとなの」という女性がいた。別の女性はバッグのなかを探しながら、「賽銭忘れちゃった、ぼけちゃって……」とあわてて帰り、あとで多大な「御仏前」を持って来た 。「ご苦労様です、皆さんでジュースでも飲んでください」と、今年も賽銭を多めに投入する人がいた。
 雨の精霊送りにならないように――。役員はいつも天気が気になる。祭壇づくりをした15日も、当日朝も大丈夫だった。精霊送りが無事すみ、のんびりしていたきのう午後、それこそ黒雲がわき出て空を覆った=写真上2。同じころ、竜巻注意情報が発表された。急に風が吹き出した。

この種の雲にはいつも心穏やかではいられなくなる。地上の人間がなにか巨大な生きものの消化器の中に飲み込まれたような感覚に襲われる。やがていっとき、風が強まり、雨がたたきつけた。雷は聞こえなかった。精霊送りのさなかでなくてよかった――。

いずれにせよ、精霊送りが終われば、頭はあらかた夏から秋に切り替わる。あとは8月20日の夏井川流灯花火大会があるだけ。平の、いわきの夏まつりは、この灯籠流しで幕を閉じる。

しかし、センチな気分にひたってはいられない。朝、精霊送りをすませて精進あげをしているときに、「次は体育祭だね」と、役員の一人がつぶやいた。9月2日、秋の最初の行事が待っている。下旬にはその準備が始まる。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

たかじい様

いわきの空・雲をアップありがとうございます。空と雲の写真を見ていると常磐線平駅(あえてそう書きます)に降りたときの空気の「匂い」を感じます。明日は、月遅れ盆に加えて更に遅れた墓参りにいわきへ行く予定です。仏様には申し訳けないけど生きている側にもいろいろと都合があって。。。

タカじい さんのコメント...

青空の入道雲も撮ってあります。そのうち機会があれば、アップします。