夏井川の堤防で今年(2018年)最初のヒガンバナを見たのは、2週間前の9月13日だった。
そのとき、こんなことを書いた。いわきの平地のヒガンバナは、夏が天候不順だと9月になるかならないかのうちに咲き出す。今年は猛暑が続いたと思ったら、秋雨前線が停滞した。前に堤防を通った日から間隔があいて、花を見たのが遅れただけで、いつもの時期に咲き出したか。
その秋雨前線が今も停滞している。間もなく9月が終わるというのに、いわきの大地は湿ったままだ。福島地方気象台のホームページで確かめたら、いわきの山田ではこの9月、きのう26日までに少しでも雨の降った日が17日、小名浜でも14日を数える。日照は、一日3時間以上が山田で7日、小名浜で9日。「五風十雨」には程遠い「五照十風」といったところだ。けさも雨。
これもヒガンバナの赤い花を見たときに書いたことだが――。初夏、夏井川渓谷の隠居の庭にある菜園に、苗床で育てた三春ネギ苗とは別に、ネギ坊主をつくったあとに分げつした三春ネギを植え直した。その古いネギがいつの間にか数を減らしている。秋雨前線の停滞で土中の水分が多くなり、根腐れをおこしたか。
その後もいっこうに空は晴れない。土中の水分が増えれば根腐れをおこすネギも増える。根腐れの心配が頭を占領しはじめたころ、好間の龍雲寺の駐車場そばでおよそ20株の白いヒガンバナを見た=写真。
植物のアルビノかと思ったら、そうではなくて、ヒガンバナと同じヒガンバナ科のショウキズイセンとの交雑種らしい、とネットにある。シロバナヒガンバナ、あるいはシロバナマンジュシャゲという。
ショウキズイセンがわからない。中国の暖地、日本では四国~九州の山野に生える多年草だそうだ。ネットの写真を見たかぎりでは、花は黄~オレンジ色で、一見カンゾウに似る。ヒガンバナよりは一回り大きいという。本州から東には自生していないから、イメージがわかないのも当然だ。
さらに検索すると、ショウキズイセンとの交雑種を提唱したのは「日本の植物学の父」牧野富太郎、日本のヒガンバナは不稔性(種ができない)だから、稔性のある中国原産のコヒガンバナが親ともいわれている、というあたりまでたどりついた。
調べれば調べるほど疑問は深まる。それ以上に、“マイ写真館”に白いヒガンバナを加えることができたことで、よどんだ心がちょっと晴れた。
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