2018年9月6日木曜日

やっとキノコが庭に

 長い猛暑のあとに曇雨天が続き、台風21号が北上してやっと大地も湿ってきた。
きのう(9月5日)、夏井川渓谷の隠居へ行ったら、2日前にはなかったドクベニタケ(ニオイコベニタケかもしれない)が庭に出ていた=写真上。

台風21号と前線の影響が気になって出かけたのだが、風で木の枝が折れることもなく、白菜の双葉に落ち葉がかぶさっていることもなかった。が、またまた三春ネギが10本ほど倒伏していた。この在来ネギは風に弱い。急きょ、土を寄せて立て直した。

 この悪天候、ネギと違ってキノコにはよかったのだろう。庭のドクベニタケのほかに、落ち葉の積もった樹下にはイヌセンボンタケが発生していた=写真下。名前のよくわからないキノコも散らばって生えていた。アラゲキクラゲとヒラタケの菌糸が同居する枯れ木がある。それにはキノコはなかった。
 キノコに精通している画家・小林路子さんの絵本『森のきのこ』(岩崎書店、1991年)に、キノコの解説が載る。これがとてもわかりやすい。地上に現れた柄と笠、すなわち「子実体(しじったい)」は植物でいえば「花」、地中の「菌糸」は「葉・茎・根」に当たるそうだ。

 その生活環は、子実体から胞子が飛び立つ(胞子にはオスとメスがある)→地中で芽を出し、菌糸をつくり、枝分かれしながら広がる(一次菌糸)→やがてオスの菌糸とメスの菌糸が合体し、一人前の菌糸になる(二次菌糸)→二次菌糸が次第に寄り集まり、互いにつながって大きくなる→温度や湿度の条件が整うと、キノコのつぼみのもとになる小さなかたまりができ、これが育って子実体になる、というものだ。

 今年(2018年)は梅雨キノコも、夏キノコも見なかった。地中や枯れ木の菌糸にとっては、高温・乾燥の厳しい環境だった。やっと子実体ができる温度と湿度になって、子孫を残すことが可能になった、といったところか。

およそ1カ月前、いわきキノコ同好会から今年の観察会(3回)の案内が届いた。第1回は今度の土曜日(9月8日)に開かれる。ドクターストップがかかってからは、山の斜面を上り下りする観察会には一度も参加していない。が、小川町の雑木林で県内初トリュフ の「ホンセイヨウショウロ」が発見された。おそらくその検証を兼ねた観察会だ。これには参加しようと思っている。

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