2018年9月5日水曜日

白菜は芽を出したが

 ツイッターに投稿された台風21号の動画には驚きの連続だった。橋上のトラックが、乗用車が風にあおられて横転する。ビルの屋上にある球状の給水タンクらしいものが、鉄製の脚がばらけると同時に飛んでいく。京都駅の天井が落下する。建物の屋根が吹き飛ぶ。観覧車が勝手に回り出す――。想像を絶する“凶風”だ。
 いわきは、台風の目から南東側にふくらんだ暴風雨圏内にあって、きのう(8月4日)午後3時ごろから風が吹きだした。真夜中が暴風雨のピークということだったが、未明の4時前に起きると、まだ雨がたたきつけている。それから30分後、雨が弱まり、アオマツムシが鳴きだしたが、まだまだ落ち着かない。雷まで鳴り出した。ピンポイントの天気予報では、太陽が顔を出すのは午前9時台だ。

 台所南側軒下に白菜の育苗トレーを置いてある。芽生えたばかりの双葉はたたきつける暴風雨に耐えられるか。双葉のつもりになって大荒れの夜空を想像すると、こちらが耐えられない。風の音が大きくなりだした夜9時、育苗トレーを玄関のなかに引っ込めた。

 8月26日朝、夏井川渓谷の隠居にある畑でうねをつくり、株間50センチで29カ所に白菜(耐病黄芯耐寒性大玉80日)の種をまいた。少し種が余ったので、3日後、隠居へ出かけた際、育苗トレー(16穴)に土を詰め、種をまいて持ち帰った。わが家で観察しながら、苗を育てることにした。

 あとからトレーにまいた種はすべて発芽した=写真。しかし、隠居の畑の種はどうしたのだろう。3粒ずつの点まきにしたのだが、9月3日現在、発芽したのは18カ所のみ。発芽までの日数3~5日、発芽率90%以上とうたってあるのに――。

考えられる理由はただひとつ。種まき直前に菜種の油粕をまいて土にすき込んだ。それから発生したガスで発芽障害がおきたのだろう。種屋さんから注意されていたのに、よくすきこめばいいと軽く考えていたのがいけなかった。

 種は80粒以上あった。余った種は若芽が虫に食われたときの補植用、あるいは春の菜の花用――という思惑は簡単にしぼんだ。全部補植に回す。

台風21号の影響が気になる。キュウリ摘みのサイクルでいえば、あしたが隠居へ行く日だが、一日繰り上げて様子を見てこよう。暴風に吹き飛ばされた葉っぱで双葉が覆われていたら、それを取り除かないと――なんて考えていたところへ、外から地響きが迫ってきた。「来たな」。身構えていると、わが家を揺らして地震波が通り過ぎた。時計を見ると5時11分。3か――そのとおりだった。

0 件のコメント: