2018年9月7日金曜日

テレビをつけっぱなしに

 きのう(9月6日)は朝3時半に起きた。パソコンを起動すると、北海道胆振(いぶり)地方で地震、という情報が目に留まった。「北海道胆振東部地震」、あとで気象庁が命名した巨大地震だ。苫小牧の東、厚真(あつま)町で震度7を記録した。発電所が緊急停止し、北海道の全域295万戸で停電した。
 一日中、テレビをつけっぱなしにして座業を続けた。厚真町の山崩れの映像=写真=には息をのんだ。同町吉野地区。山裾に沿って線状に伸びる集落が土砂にのまれた。地理院地図で確かめると、裏山は家からの高さが70メートルほど(標高は100メートル前後)だ。ほかの山々も例外なく緑の斜面が崩れて赤くなっている。

 停電、断水、液状化。それに伴う飲料水やトイレ、ガソリン、電話の問題。テレビが伝えるニュースに、7年半前の東北地方太平洋沖地震と原発事故に伴う災禍を思い出した。大津波で犠牲者が相次いだ3・11のちょうど1カ月後、いわきは直下型余震に襲われる。山が崩れ、4人が犠牲になった。いずれも震度6弱だった。

発電所が緊急停止をした影響で運転休止中の泊原発が外部電源を失い、非常用電源が起動した。泊は震度2。なのに、簡単に非常事態になってしまうとは! 原発震災で一時避難を経験した者としては、北海道のライフラインの脆弱さが気になった。怒りさえこみあげてきた。

無事を喜び、ハグしあう人がテレビに映った。あのときもそうだった、会う人ごとに生きていたことを喜んで抱き合ったものだ。

夜、原発震災後、いわきから札幌へ移住した知人にケータイで連絡を取る。すぐつながった。

札幌は震度5強。7階建てマンションの3階に住んでいる。いわきでの体験を思い出して、すぐ風呂に水をためたという。揺れはすごかった。「あなたの家なら……」といって言葉を濁したが、「つぶれたかもしれない」と言いたかったのだろう。さいわい電気は午後4時前に復活した。最初に通電した30万戸のうちに入っていた。

近くに札幌ドームがある。きょう予定されていた日本―チリのサッカー国際親善試合が中止になって、がっかりしたことだろう。
 
 7年半前、わが家では食器棚から皿などが、本棚から本がなだれ落ちた。2階は1階よりひどかった。本棚から落下した本と倒れた本棚で足の踏み場もなかった。「家の中がグチャグチャになった」と語る北海道の被災者に同情した。

今朝のテレビによると、死者は7人、ほかに心肺停止2人、安否不明30人で、けが人は約300人に上る。西では台風被害、北では大地震。災害列島に暮らしている自覚をまた新たにする。

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