2018年9月22日土曜日

隠居に泊まれば新聞が届く

夏井川渓谷の隠居に泊まると、翌朝には玄関先に新聞が置いてある。渓谷の小集落へ配達に来た旧知の新聞販売店主Mさんが、庭に車が止まっていると届けてくれるのだ。泊まり込みでミニ同級会を開いた3連休最後の朝(敬老の日=9月17日)もそうだった。
 二十数年前、義父に代わって隠居の管理人になった。街なかで仕事をしていたので、週末は一泊二日の山里暮らしで気分転換を図った。

一度、Mさんが新聞の勧誘に来た。Mさんとは初対面だった。あとで利害関係者(地域紙の記者と、その地域紙を受託配達する某系列新聞販売店主)であることを知る。そのとき、「冷たく購読を断られた」とMさんに皮肉を込めて言われた。以後、隠居に泊まるとサービスで新聞を数紙、置いていってくれるようになった。

 11年前に会社を辞めたときには、あいさつするひまがなかった。後日、隠居へ泊まった晩、「いつもありがとうございます 少しですがみなさんで食べてください 元気でやっています」というメモとともに、お茶菓子類を入れた紙バッグを玄関先に置いたら、「ありがとうございます いただきます」の書き込みがあった。Mさんとはメモを介して9カ月ぶりに“対話”した。

先の敬老の日に届いた新聞は全国紙、県紙、スポーツ紙の3紙=写真。スポーツ紙の1面には「カッコよかった名女優 樹木希林さん さよなら」という文字が躍っていた。「やっぱり」という思いと、「早すぎる」という思いがないまぜになって脳内をかけめぐった。

ゆうべ(9月21日)は「ぴったんこカン・カン」で希林さんの追悼番組(再放送)を見ながら、BSプレミアムで放送された「温故希林」を思い出していた。古民芸収集家・尾久彰三さんと希林さんの骨董を尋ね歩く番組で、カミサンにおつきあいしてほぼ毎回見た。台湾の旅は特に興味をそそられた。骨董品を飾るのではなく使う、リサイクルを徹底した女優さんでもあった。

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