3月11日は、日付が替わったばかりのころ、一度目が覚めて合掌をした。さらに午後2時46分、テレビの映像に合わせて黙祷をした。
もう13年がたつ。といっても、年寄りの日常はそう変わらない。13年前にやっていることを、今もやっている。
その同じことがしかし、おぼつかなくなったり、こたえたりするようになってきた。私もカミサンもまだ60代だった。それが後期高齢者の仲間入りをした。
「まだ60代」と書いても違和感がないほど、体力的に「老衰」を自覚する場面はまずなかった。
それから13年。家の中にあるちょっとした段差につまずく。玄関から居間へ上がるのに「ヨイショッ」となる。
わが家の隣に住む義弟も古希を迎えたころ、玄関から茶の間へ上がるのが難儀そうだった。玄関のたたきに高さ15センチくらいの踏み台を置くと、義弟ばかりか、私も上がり下りが楽になった。
それまでできたことが、できなくなる。あるいは一時的に、だれかに手助けしてもらわないといけなくなる。
カツオの刺し身が残るようになったのもそうだろう。若いころはマイ皿(径20センチほどの中皿)にいっぱいあっても平気だったが、このごろはわれら夫婦と義弟の3人で食べても、3分の1以上は残る。
「フレイルの悪循環」を意識するようになった。フレイルとは「か弱さ」とか「こわれやすさ」を意味する言葉だという。平成26(2014)年に日本老年医学会が提唱した概念、とネットにあった。
加齢や病気で筋肉量が低下する。足の筋肉量低下により歩行速度が落ちたり、疲れやすくなったりするため、全体の活動量が減少する。
全体の活動量が減少すると、エネルギー消費量が減り、動かないとお腹が空かないので食欲もなくなる。
慢性的に栄養不足の状態になると、筋肉量がさらに低下し、全体の活動量が減る。この悪循環を断ち切らないと、要介護状態になる可能性が高くなるという。
ペットボトルのキャップ=写真=もフレイルの目安になるらしい。まだ開けられる。とはいえ、きつくて開栓に手間取るものが出てきた。
この開栓と老衰の関係をネットで検索すると、伊藤園と鹿児島大学医学部による共同研究の結果が載っていた。
キャップの開け方には4つある。「側腹つまみ」「筒握り」「3指つまみ」、そして「逆筒握り」だ。
逆筒握りは、ボトルを片手で持ち、片手(利き手)でこぶしを下にするようにして、キャップを回すやり方だ。
研究結果では、前記3つはフレイルについて有意な関係は見られなかった。が、逆筒握りは筋力低下と関係があることがわかった。
大半の人間は逆筒握りでキャップを開ける。握力が低下すると開栓が困難になる。13年前はペットボトルの水の差し入れがありがたかった。今はその開栓ができるかどうかが問題だ。
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