2024年3月2日土曜日

川からの逆流

                               
 「在宅ワーク」の身なので、いわき市の防災メールはパソコンで見る。2月27日未明に「波浪警報」が発表され、同日夜には続報が届いた。

高波の影響で滑津川が逆流し、平下高久字下原地内(主要地方道小名浜四倉線の西側)で水路から水があふれ、道路が冠水している――。

翌28日朝には、浜通り(いわき市)に波浪警報が出ており、高波で海岸や河口付近は危険な状況、近づかないように――という続報も。

いわき民報=写真=その他の報道によれば、高波の影響で滑津川水門の河口に土砂がたまり、川の逆流が発生した。

冠水したのは、河口から2番目の橋(小名浜四倉線の滑津橋)のたもとから上流の右岸域で、市道のほか畑約1.2ヘクタールが水をかぶったという。床下浸水もあったようだ。

 わが家から薄磯海岸へ行くルートの一つに、「岸前地蔵菩薩」(下高久)前の交差点を右折して、滑津川と山すそ近くを通る「旧道」がある。下原に沿って、小名浜四倉線に出る。そのへんで冠水がおきたのだろう。

 下高久字下原。「下」が二つ付く。地名の上・中・下は川の流れに対応する。上高久と下高久は滑津川の上流と下流の関係にある。下原は下高久の中でも下流にある原という意味だろうか。

それはともかく、臨海部では海からの災害を考えないといけない。13年前にそれを経験した。東北地方太平洋沖地震が発生し、津波で甚大な被害が出た。

そのとき、滑津川の河口部も浸水した。大字誌の『まほろばの里 高久の歩き方』にその記録が載る。

 平・下高久区が事業主体になって同書を刊行した。いわき地域学會の仲間が何人か協力した。

下高久はカミサンの父親のふるさと。私の親友と知人、後輩も住んでいる。いわき市内では、カミサンの実家(平・久保町)、隠居のある夏井川渓谷(小川町・牛小川)の次くらいに通っているところなので、興味深く読んだ。

去年(2023年)1月には、大平好一高久公民館長がいわき地域学會の市民講座の講師を担当し、「文化財を活(い)かした地域づくりのために」と題して話した。

滑津川をさかのぼる津波の動画も見た。ところどころ堤防からあふれて田んぼに流入する様子、橋を行き来する自動車が水しぶきをあげている様子にかたずをのんだ。

私には高波と高潮の区別がつかない。ただ、波浪警報といい、道路が冠水したというとき、思い出す災害がある。

 新聞記者になって2年目の夏(昭和47年8月)、いわき沖を通過した台風13号の影響で波立(はったち)海岸(久之浜)に高波が押し寄せ、そばの国道6号がズタズタになった。先輩が撮影した写真から波の破壊力に驚いた。

 その後、同地区では山側にバイパスが開通した。①津波や越波による通行止めリスクの解消②急カーブ区間の回避による救急搬送の円滑化③交通渋滞の緩和――が目的だった。

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