日曜日は朝、夏井川渓谷の隠居へ出かける。たまたま平日に行くこともある。休日と平日では朝の表情が異なる。
夏、キュウリを栽培しているときには週半ば、夜明け直後にも摘みに行く。帰りは小学生の集団登校時間と重なる。部分的に通行できないところがある。ダンプカーも動き出す。
それはしかし、キュウリのためであって、三春ネギや辛み大根しかない今は、日曜日の朝食後、少したってから家を出る。
時間は9時前後。道路はどこも空いている。途中、小川町・三島地内の夏井川でハクチョウたちに出合う=写真。
この時間帯だと、飛び立ったり、着水したりと、動きがあわただしい。それからしばらくすると、落ち着いて浅瀬で羽を休めている。
ハクチョウたちには日曜日も平日もない。越冬地では越冬地での一日を繰り返すだけだ。
日中は近くの田んぼへ出向いているグループがいる。残ったグループは、えさをまく人間が現れると、そこへ集中する。
10月に入ってやって来たハクチョウたちは、3月に入ると少しずつ北へ帰って行く。その時期がきた。いわきから姿を消すのは3月末だが、私は3月11日を「目安」にしている。
平成23(2011)年3月11日、東日本大震災が発生した。すると、わが生活圏の夏井川(平・塩~中神谷地内)で越冬していたハクチョウたちは、逆流してきた津波に驚いて一斉に飛び立ち、そのまま戻って来なかった。
3月前半に姿を消したのはこの年だけ、つまり3月11日が私のなかでは一番早い北帰行完了の記録になる。
3月に入ると、そろそろ北帰行が始まる(いや、既に始まっている)という認識は、そうしたウオッチングの記録から生まれた。
しかし、ハクチョウと違って人間の動きは複雑だ。朝の6~7時、あるいは10時台、平日と日曜日では、同じ道路を行き来するにしても運転の質の違いを感じる。
朝の9時台はダンプカーなどの大型車両を除けば、平日も休日もそう変わらない。ところが、日曜日は10時を過ぎ、11時になると、人間そのものの動きが活発になる。
マイカー、バイク、自転車、徒歩と、移動手段が多様になる。その行き先もむろんバラバラだ。
交通ルールやマナーも「個性」が発揮される。渓谷の道路は、センターラインがほとんどない。カーブも連続する。
道路が狭い。見通しが悪い。するとそのせいだと思うが、対向車両が中央に寄りながら、不意に現れる。こちらはそれを見越して、カーブでは減速する。向こうはあわてて左にハンドルを切る、といったことが起きる。いわきナンバーだけではない。他地域のナンバーも少なくない。
信号とは無関係に進む自転車、右左折してから方向指示のサインを出すマイカー……。日曜日の日中は街でも、渓谷でも要注意だ。気を緩めると、事故になりかねない。3月3日はしばらくぶりでそんな思いになった。
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