2012年6月22日金曜日

あのコイか


きのう(6月21日)早朝、水の引いた夏井川の河川敷にあるサイクリングロードを、下流側から上流へと向かって歩いた。生乾きのドロのにおいがする。国道6号バイパス終点部の夏井川橋下の草むらに、体長およそ60センチのコイが死んでいた=写真。前日、まだ水の残るサイクリングロードで背中を見せながら右往左往していたコイに違いない。

泳ぐコイは“散歩仲間”に教えられた。在宅ワークに疲れて、気分転換を兼ねて夏井川の堤防を歩いた。早朝、名前はわからないが住宅街ですれ違う“散歩仲間”がいる。その人は夕方も散歩をするらしい。私は、朝も夕も背中に太陽を受けて歩く。彼はその逆、太陽に向かって歩く。で、夕方、堤防ですれ違ったのだ。

冠水したサイクリングロードにカモの親子とコイがいる、という。指さす方角を見たら、市の北部浄化センターそばの河川敷だ。私が首からカメラをぶら下げて散歩するものだから、声をかけてくれたのだった。

勇んで「現場」に近づいた。と、ずっと先の草むらからカルガモの親が4羽ほどのヒナを引きつれてヨシ原に消えた。かたわらでコイが水紋をつくっていた。もっと下流部でも、もがくように泳ぎ回っている魚がいた。

一夜明けて再び見に行くと、サイクリングロードの水はあらかた引いていた。コイより下流でうごめいていたのは、ボラでもあったか。30センチほどの魚が死んでいた。目の周りが血に染まっていた。カラスがつついて空洞にしたばかりのようだった。

そのとき、すでにサイクリングロードから堤防の上へ戻っていた女性に、草むらでコイが死んでいることを教えられた。注意しながら上流側へと進むと、橋の下にコイが横たわっていた。

夕方再びサイクリングロードを歩いた。水はすっかりなくなっていた。小魚がいっぱい死んでいた。彼らも大水で流れのゆるやかな岸辺へ避難して来たものの、水が引くとヨシ原にさえぎられて取り残されたのだ。

ヨシ原に消える直前のカルガモ親子を写真に撮ったが、人に見せられるようなものではない。水面からわずかに出ている枯れヨシに止まっているオオヨシキリや、倒木の先っちょに止まっているトビの写真も撮った。データとして残す程度の出来だ。

オオヨシキリはヨシを組み合わせて巣をかける。4月末には渡来して鳴きだした。そのころ、ヨシは十分には伸びていなかった。今は草丈およそ2メートル。子育ては終わっていたかどうか。きのうの夕方はなんとなくオオヨシキリの声が少なく感じられた。

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