3月末、区内会の総会で要望があった。「区内=写真=の線量を定期的に測って、伝えてほしい」。保健委員の私が線量測定の担当になった。4月から月に一度、定点観測をしている。いうまでもなく地域の子どもたちのためだ。
始まりは昨年秋の「生活空間環境改善事業」だ。市を窓口に福島県の補助金50万円を使って、区の役員や保護者が通学路などの除染作業をした。一時は線量が下がった。今は? 少なくとも私が住む地域では、劇的な変化はない。
が、1カ所だけ要注意個所がある。県営住宅の集会所、雨樋吐きだし口の線量が元に戻った。屋根と、並行している雨樋の枯れ落ち葉や土が元凶だろう。
前月、吐きだし口から少し離れた土を測ったら、高い数値が出た。区内会の役員が出て、試験的に土を入れ替えた。すると、今度の測定では、そこの部分に関しては何度も測り直すほど線量が低くなっていた。手つかずの北側の雨樋下は前回と変わらず、1マイクロシーベルトを超えていた。
早朝の散歩を兼ねての線量測定だ。名前は分からないが、会えばあいさつを交わす“散歩仲間”がいる。前回も、今回も私を見て近づいてきた。「どうですか」「0.2台ですね」「このへんはだいたいそうだよね」。公園や公共施設などにリアルタイム線量計が設置されている。それらを目にしているからこその会話だ。
あるところでは、おばさんが「何してんの?」。「線量を測ってます」「あら、ごくろうさん」。住民は放射能のことを忘れて暮らしている、なんて思い違いをしてはいけない。いちいち口にしないだけだ。そのことが察せられる会話だった。
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