カラッと晴れた先週末の土曜日(6月23日)午後、夏井川渓谷の無量庵へ車をとばした。菜園にある「三春ネギ」のネギ坊主から黒い種がのぞいていて、収穫が可能になっているはずだ。その通りだった=写真。ネギ坊主を花茎から切り取った。
ネギ坊主の収穫をいつにするか。マチにいながら「そのとき」をいつも計っていた。例年、6月中旬以降にネギ坊主を刈り取る。今年は厳冬のせいで苗の育ちがやや遅かった。ネギ坊主の形成も遅かった。
ネギ苗は遅まきながら6月1日に定植した。次は採種だ――1週間ごとに出かけてはネギ坊主を観察した。20日未明の台風一過後、再びやってきた晴天に体が反応した、黒い種がのぞいているはずだと。
三春ネギは、いわきの平地のネギと違って秋まきだ。採種(6月)~播種(10月)~定植(翌年5月)~伏せ込み(8月=曲がりネギにするための作業)~収穫(秋・冬)~採種(翌々年6月)――。採種用のネギはむろん畑に残しておく。種から次の種が生まれるまでに、足かけ3年はかかる。
3・11、というより原発事故がこのサイクルを断ち切ろうとした。意地でもネギの種を採って「自産自消」を続けてやる。覚悟を決めて昨年6月、ネギ坊主を収穫し、種を採った。冷蔵庫に保存し、秋にまいたのが芽を出し、越冬して育った。それを定植した。
ネギ坊主を形成したネギは分けつして、次の世代の葉が伸びている。古い花茎は硬く、新しい世代と同根ながら根元からぽきりと折れる。新しい方は溝に並べて根元に土をかぶせた。古い花茎はごみ袋に詰めた。みじんにして線量を測るつもりでいる。
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