2016年7月14日木曜日

どんぐり平

 土曜日(7月9日)の朝6時、孫が父親に連れられてやって来た。ブログをアップするためにノートパソコンを開いてパチパチやっていた。「なんだい、こんな早い時間に」「石森山に行って来た」という。小1の孫に「クワガタ(捕り)か?」と聞くと「うん」。
 石森山は平市街地に最も近い、標高225メートルの里山だ。フラワーセンターがある。雑木林内には遊歩道が張り巡らされている。

 おととい(7月12日)早朝、夏井川渓谷の隠居へ行った帰り、クヌギの「樹液酒場」を思い出して石森山へ寄った。子どもたちとよく行った「どんぐり平」=写真=はしかし、落ち葉が堆積し、クヌギの幹の「樹液酒場」が乾いている。これではオオムラサキもスズメバチもカブトムシもクワガタも現れない。すると、子どもが孫に教えたのは、どこか違ったところにある「樹液酒場」だろう。
 
 子どもが小さかったころ、日曜日になると(まだ週休2日ではなかった)、よく石森山へ連れて行った。バードウオッチングが目的だが、次第に野草・キノコにも目がいくようになった。キビタキの雄に至近距離で遭遇した。「写真を撮っていればねぇ」。あとあと子どもに言われたものだ。

 昼間だけでなく、夜も出かけた。クヌギやコナラの林立する「どんぐり平」は虫たちの「樹液酒場」だ。昼間はオオムラサキ・スズメバチ、夜はカブトムシ・クワガタ。樹液をなめてみたことがある。わりと冷たくて甘酸っぱかった。なるほど、これが虫たちの滋養源か――。
 
 石森山が三代にわたって自然観察のフィールドになる。唯一、「深慮遠謀」が成功した例だ。「こうしろ、ああしろ」ではなく、「これもある、あれもある」。親ができることは興味・関心をもてる環境・機会を用意することだ。その一つが親も楽しむ“山学校”だった。

 今は父親になった子どもが孫に自然の不思議と奥深さを伝える。まだクワガタ止まりだが、やがて野鳥や野草、キノコを好きになってくれるといい。むろん、スズメバチやマムシのように危険な生物がいることも頭に入れて。

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