2017年1月24日火曜日

ストラスブールと最古の新聞

 BSプレミアムの「世界ふれあい街歩き」はほぼ欠かさずに見る。先日はフランスのストラスブールだった。行ったことはない。が、世界最古の新聞「レラツィオン」(Relation=伝達)が発行された地なので、興味を持って見た(レラツィオンのことは、2010年9月17日付朝日新聞で知った)。
 スイスのアルプスから始まるライン川は、フランスとドイツの国境を流れ、やがてオランダで北海に注ぐ。上流部左岸、河川交通の要衝がストラスブールだ。右岸域にはドイツの「黒い森」(シュヴァルツヴァルト)が広がる。いわき湯本温泉が新しいあり方の手本にした温泉保養地、バーデン・ヴァイラーは森の南方にある。

「レラツィオン」は1605年、製本職人のヨハン・カルロスによって創刊された。当時、ストラスブールはドイツ領シュトラスブルクだった。この地でグーテンベルクが活版印刷技術を完成させる。それからおよそ150年後、活版印刷による週刊新聞「レラツィオン」が誕生した。

 カルロスは「週1回の郵便集配に合わせ、水曜の夕方までにニュースを集め、木曜の朝に新聞を出した」(朝日)。欧州全土の政治や軍事のニュースなどが集められたという。

 日本でも、江戸時代には飛脚(郵便配達人)がいて、かわら版があった。特に、幕末の自然災害(噴火や地震・津波)は飛脚が情報提供者となってかわら版がつくられた。洋の東西を問わず、郵便システムが新聞を生んだ。

 そんなことを思い出しながら番組を見た。美しい街――というのが第一印象だった。EU議会場がある。国際都市でもある。ドイツ領になったり、フランス領になったり……。「ドイツ語もフランス語もこの地に深く根付いているわ」という女性の言葉(字幕)=写真=がしみた。

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