2017年1月23日月曜日

V字谷に残る雪

 きのう(1月22日)は、半月ぶりに夏井川渓谷の隠居へ出かけた。この間にいわきの平地にも雪が降り(13日)、水道管が凍結するほどの寒波が押し寄せた(15日)。20~21日には、平地で雨、山地で雪になった。隠居の庭に少し雪が残っていた=写真。もっと奥、標高の高い川前や三和、田人は雪野原が広がっていることだろう。
 北へ一里行くごとに雪が一尺深くなる――小林一茶を生んだ豪雪地帯の長野県北部には、「一里一尺」という言葉があるそうだ。いわきにはむろん、この種の言い伝えはない。が、住民はどこでどう雪が増えるかを知っている。夏井川渓谷では、平地から山地(渓谷)へ入る、JR磐越東線・磐城高崎踏切の先にある“地獄坂”、ここが境目だ。

 この何年かの間に、渓谷の道路沿いにあるミニ杉林が何カ所か伐採されて消えた。南の谷側に杉林があると、道路に降った雪は融けずに踏み固められてアイスバーンになる。日当たりがよくなったおかげで、スリップ事故の危険性が減った。

 渓谷までならスタッドレスタイヤで十分だ。雪が積もれば除雪車が出るし、少しの積雪ならほどなく太陽が融かしてくれる。雪は、しかし、あちこちに残っていた。日陰の路肩、V字谷の北向き斜面、空き地。隠居の濡れ縁に線状に残っていたのは屋根からの落雪。

 渓谷では、雪より寒波だ。何度も水道管の凍結・破損に泣かされた。ここ何年かは、冬がくると洗面台の水の元栓を締め、台所の温水器の水抜きをするようにしている。ところが、きのうはいったん出て、止まった。地下水をくみ上げるポンプを見たが異常はない。午後になってちょろちょろ出てきたところをみると、どこかで水道管が凍結していたのだろう(庭が全面除染になったあと、水道管が一部露出するようになった、そこか)。

 同級生でもある「水道のホームドクター」に連絡しようかと思ったが、「こんなことで呼ぶな」といわれるのがシャクなのでよした。

 それはそれとして、渓谷はまだ極寒期には入っていない。近くの「籠場の滝」のしぶき氷がほとんどないのでわかる。隠居の対岸にある「木守の滝」も似たようなものだろう。まさかこのまま2月の中旬になったら……、天然氷は今年もお預けになる。

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