2017年1月26日木曜日

道路は拡幅されたが……

 いわき市の旧平市と旧神谷(かべや)村を結ぶ幹線道路は国道6号。ほかに、山際の小川江筋(農業用水路)を利用した水田地帯を貫通する抜け道(市道)がある。東から草野~神谷~平窪とつながって、国道399号に至る。夏井川渓谷にある隠居へ出かけるときには、このルートを利用する。
 神谷地区に、用地買収ができずに“細道”のままのところがあった。ほかの地区にもある。道の両側は田んぼだ。先祖から引き継いだ土地を自分の代で減らすわけにはいかない、あるいは行政不信、そういうものが根っこにあって拡幅が難しかったのだろう。3地区の区長協議会が連携して拡幅のための活動を続けている。

 それが奏功して、去年(2016年)、神谷地区の細道が拡幅され、年末に供用が開始された=写真。区間は100メートルちょっとだろうか。以前は幅員5.5メートル未満のためにセンターラインもなかった。今は白い破線が引かれている。しかし、その先は急カーブ。そこに、田んぼのあぜ道と直結した横断歩道の路面標示がある。そばの路肩には「幅員減少」の立て看。
 
 3・11後、いわき市は1Fの事故収束~廃炉作業のベースキャンプになった。双葉郡からの避難者も加わって、一気に交通量が増えた。国道6号の朝晩の混雑を避ける車が脇道に入り込み、この抜け道も交通量が増した。
 
 細道が始まる角に小学校がある。道路拡幅によって接触事故を防ぎ、歩・車道も分離して安全度が増した。それはそれでよかったのだが……。驚いた。車がビュンビュン飛ばして行き来しているではないか。
 
 学校の行き帰りに田んぼのあぜ道を利用する児童がいる。学校前には押しボタン式の信号機がある。急カーブの横断歩道にも――という要望が出ているらしい。ある集まりで学校の後輩(市議)と話して知った。一つ解決すればまた一つ……。地域の安全・安心には終わりがない。

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