夏井川渓谷にある隠居の庭で会津の辛み大根を“栽培”している。師走に引っこ抜いたものは、見事なほど太かった=写真。4年間“栽培”して、初めて小躍りしたくなるほどの出来栄えだった。年末から年始にかけて、大根おろしにして楽しんだ。
5年前(2012年)の夏、知人から辛み大根の莢(さや)をもらった。中に種が眠っている。初秋、莢を割り、中から種を取りだして、隠居の菜園に点まきした。冬に収穫した。翌年は、師走に庭が全面除染され、菜園が消えた。三春ネギも含めて野菜栽培を休んだ。
2014年春に野菜栽培を再開する。辛み大根の莢が残っていたので、初秋に種をまいて育てた。何株か越冬させた。それが、春に花を咲かせて実を結んだ。葉が枯れかかったころ、時期をずらして2回、莢を収穫した。
おととし(2015年)はきちんと土をおこしてやわらかくし、「育てよ、育てよ」と念じて種をまいたら……。細くて長ひょろい大根になった。これでは大根おろしにもならない。土を耕したのが裏目に出た。手をかけすぎて失敗した。
で、去年。採種用に越冬させた株からさやがこぼれたのだろう。月遅れ盆のあとに見ると、十数株が発芽していた。種をまく必要がなくなった。11月に入って、“初採取”した。直径5センチ、長さ15センチほどの「ずんぐりむっくり」形だ。
クリスマスの日曜日、1株を引っこ抜くと、もっとずんぐりしていた。それが、冒頭の大根。今回はたまに肥料をやっただけでほったらかしにした。手抜きがよかったのだろう。大根そのものが野生の力を発揮した。
辛み大根の莢はこぶ状になっている。爪をたてると“発泡スチロール”状の殻が裂け、中から直径1ミリ余の赤玉(種)が現れる。それを続けていると、爪が痛くなる。こぼれたさやから発芽するなら……。今年は初夏にさやごと埋めてみようか。それで月遅れ盆あたりに発芽したらもうけものだ。
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