正月三が日の最終日、昼。息子一家と会食した。乱雑なままのわが家ではなく、近所にある“ゲストハウス”(故義伯父の家)で。スーパーの開店時間に合わせて生ずしを買いに行った。それがメーン。小学3年と1年の孫はすしを食べ終えると、じっとしてはいない。カミサンがそのためにいろいろ用意した。
まず、もち焼き=写真。ふだんは全く使わない桐の手あぶり(火鉢)を出す。中には五徳(三本足がついた輪っか=鉄瓶などをかける)、灰ならし、火箸。熾(おこ)した炭を真ん中におき、五徳の上に網渡しをかけ、もちをのせたら、あとは上の孫にまかせる。
去年(2016年)まではもちを食べる側だった。今年は食べるだけでなく、焼く仕事を覚えさせる。父親にひっくり返すタイミングを教えられ、手でやろうとして「アチチ」となった。これが大事。もちは焼くとやわらかくなるだけでなく、やけどをするほどに熱くなる。私らだって今も「アチチ」を繰り返している。私は白もちのほかに、豆もちを頼んだ。
書き初めもした。カミサンが硯(すずり)・墨汁・筆・半紙を用意する。故義伯父はアマチュア書家だった。道具が残っている。上の孫は漢字を教えられて「酉年」、下の孫は「とりどし」と筆を走らせる。
終われば、たこ揚げだ。私もかりだされる。風が時折吹いた。動かずに糸を操れば揚がるのに、走り回るからたこはすぐ地面をはう。途中でボール蹴りに移ったが、これには体がついていけなかった。
仕上げは、カミサンの趣味である抹茶点(た)て。茶筅(ちゃせん)で「の」の字を書くように動かすことを教えられたに違いない。その延長で台所からしずしずと茶碗を運んできた。まず、私がもらう。親も飲む。
昔の子どもは、正月、いろんな遊びをした。たこ揚げのほかに、家の中ではかるた・福笑い・すごろく。お年玉はもらったが、額はたいしたことがなかった。元日、年始に来たのでお年玉をあげると、下の孫がもう一人のじいじは○×円だったと、倍の金額をいう。すかさず母親が「クリスマスプレゼントをしなかったからだよ」とフォローしてくれた。
正月はお年玉をもらうためだけにあるのではない。1年のうちで最も安らぐ三が日だからこそ、いろいろ遊びがあるんだよ。あとは大変だろ、子どもも。もち焼き・書き初め・たこ揚げなんかは文化でもある――なんてことは、もちろん孫には言わない。
さて、きょう(1月4日)は仕事始め。私もそう。これからごみネットを出す。わが地域はきょう、「容器プラスチックの日」だが、風の心配がある。吹き飛ばされる。食べかすが残るマナー違反の容器プラはカラスに狙われる。「とり年」だからといってカラスに気を許したら泣きをみる。
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