2018年11月8日木曜日

芽ネギと11月の蚊

 夏井川渓谷にある隠居の菜園に苗床をつくり、三春ネギの種をまいた。それでも半分以上余ったので、育苗トレーに埋めたのを自宅の軒下に置いた。ほぼ1カ月たった今、芽が7センチほどに伸びた。
 週に1回、隠居へ行って見るだけだったのが、今年(2018年)は毎日観察できる。それでわかったのだが、芽は“白い線虫”状になってあらわれる=写真上。それがすぐ、日光を浴びて緑色に変わる。

 二十数年見てきた芽生えの記録――。種は地中2、3ミリのところで眠っている。黒い殻を破った芽(根と茎の部分がある)はいったん上向きに伸び、やがて根の部分が屈曲して下へ、下へと向かっていく。茎は屈曲した状態で上へ伸び、ヘアピン状のまま地上に現れる(“白い線虫”はこの最初期の段階)。

 不思議なのは、土のふとんをかぶった黒い種がまた、茎に引っ張られて地表に出てくることだ。初期の芽ネギは、ポヤポヤの“緑毛”の先端に黒い殻をのせている=写真下=ために、「7」あるいは「?」のように見える。次の段階には黒い殻が脱落し、茎も根もピンと一直線になる。
 さて、と。ここからは11月の蚊の話――。朝9時前後、自宅で歯を磨きながら、かがんで芽ネギの様子をチェックする。と、飛び交う虫がいる。11月2日に手の甲をチクリとやられた。蚊だった。11月に入って蚊に刺されたのは初めてだ。

 30年余に及ぶ“定点観測”の結果として、わが家では毎年、5月20日前後に蚊が現れて人間を刺し始める。姿を消すのは10月20日過ぎ。ところが、4、5年前から11月に入っても、耳もとでブンブンやっている。11月に刺されたら、わが家では“歴史的な大ニュース”だ。その大ニュースになった。

 おととい(11月6日)は夜、茶の間でカミサンが手の甲をピシャッとやったら、赤い血が広がった。やはり蚊だった。(日中活動するのはヤブカ、夜はイエカだという)

 テレビでは、今年の夏は記録的な猛暑だったため、蚊もげんなりして活動が鈍った、それで蚊取り線香の売り上げが減った、というニュースを伝えていた。酷暑はともかく、地球温暖化が進んで、産卵~孵化(ボウフラ)~蛹~羽化(成虫のメスは吸血)のサイクル期間が延び、11月に入っても飛び交うようになったか(けさも現れた)。暦の上ではきのう、立冬だった、というのに。

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