2012年2月13日月曜日
3極3層
2月10日夜、いわきの街(平)に雪が降った。山も、と思った。が翌朝、いつものコースを散歩したら、遠く見える水石山の山頂に雪がなかった。
11日付小欄に夏井川渓谷も雪に見舞われただろう、ということを書いた。きのう(2月12日)、無量庵へ出かけたら、道路に雪はない。道端の残雪もあらかたとけていた。どうやら10日夜には、雪は降らなかったようだ。
「広域都市」いわきのわかりにくさがここにある。雪が降ったとしても、いわきのすべてが銀世界になるわけではない。
何度も言っていることだが、いわきはハマ・マチ・ヤマの三層構造だ。大震災の影響もハマ・マチ・ヤマで異なる。プラス流域。いわきは北から夏井川(北部)・藤原川(中部)・鮫川(南部)の三つの流域に分かれる。そこに人口が密集した平・小名浜・勿来の三極がある。
いわきは「3極3層」。そう見るとわかりやすい(久之浜の大久川流域をないがしろにしているわけではないが)。
3・11にハマは大津波で壊滅的な被害に遭った。4・11には南部のヤマが動いて大きな打撃を受けた。マチだけ見れば、大震災といっても軽微ではないか――そういう印象を受ける旅人もいるだろう。
その南部のヤマに住む知人の話によると、南部のヤマは場所によって5~2メートルの段差が生じた。3・11の巨大地震が、「せめぎ合う」関係(逆断層)を「引っ張り合う」関係(正断層)に変えた。要は、3・11で地盤が沈下したことによる“後遺症”が大きな段差・亀裂を生んだ。
地下水脈がずれた、井戸水が枯れた――という話は、南部のヤマに多い。北部のヤマも無縁ではない。たとえば、二ツ箭山の中腹。それまであった湧水が枯れ、その下部から水が出るようになった、という話を3・11後に聞いた。無量庵は同じ北部にあるが、水脈がずれることはなかった。
2月10日夜の雪の話に戻る。春になると、いわきの平地はときどき雪に見舞われる。南岸低気圧が本州を通過するとき、オホーツク海の方から寒気が吹き込んで雪になる。春の雪だった。
雪を警戒しながら出かけた夏井川渓谷だが、籠場の滝のしぶき氷はうっすらとあるだけ。無量庵の対岸の木守の滝もずいぶん氷がとけていた=写真。「寒さの冬」はピークを過ぎたようだ。
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