2012年2月29日水曜日

ナツミカンの木


散歩コースを短縮していつもと違う道を通った。近所は近所だが、散歩道からはずれているために、ふだんはほとんど利用しない。たまに車で通るだけだ。道に沿って兼業農家の家があり、庭先に菜園が広がる。その菜園のへりにナツミカンの木の枝が積み重ねられていた=写真。最近、ご主人が剪定したのだろう。

「ナツミカンの木のある家」である。門のそばにその木が立っている。3年前の初夏、門前にナツミカンの入ったポリバケツが置かれた。わきには「どうぞ自由にお持ち下さい」という札が立てられていた。低気圧でも通過した際に落果したのではなかったか。

ご主人とはPTAで知りあった。聞けば、昔のタイプのナツミカンだ。皮が厚く、酸味が強い。門前にバケツが置かれたとき、何個かもらって食べた。苦く、すっぱかった。

柑橘類は一部を除いて常緑だ。東日本大震災に伴う原発事故では、芽吹き前だった落葉樹は枝・幹と落ち葉に、常緑樹は枝・葉に放射性物質が付着した。

夏井川渓谷の無量庵には道路沿いに立ち木が並ぶ。すぐ上の電線に枝葉が引っかかるので、先日、電力会社から作業を受託した会社の人が剪定の許可を――とやって来た。二つ返事で了承した。常緑のモミのほかはカエデ・梅・クワなどで、きれいに剪定してくれた。放射線量もその分減ったことだろう。

とはいっても、たとえば県営住宅団地にあるケヤキについては、枝・幹に付着した放射性物質が雨のたびに樹皮を伝って根元に流れ落ちるため、だんだん線量が高くなるということが起きている。春に葉っぱをつけていなかったからいい、というものではない。ナツミカンの木の剪定も、枝葉に付着した放射性物質を減らす自衛策でもあったか。

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