2012年2月3日金曜日
常陽藝文
企業が出している、要チェックの文化情報誌がある。身近なところでは、東北電力の「白い国の詩」、常陽銀行の「常陽藝文」だ。「白い国の詩」は3・11後、発行が休止された。雑誌を出すどころではなくなったのだろうが、月刊誌時代から愛読していた身としてはいささかさびしいものがある。
一方の「常陽藝文」は健在だ。年金が振り込まれるわが家の“メーンバンク”なので、平支店へ行くたびにロビーにある「見本」を手に取る。
2012年1月号=写真=は、巻頭特集の<藝文風土記>が「詩人・大関五郎の足跡をたどる 水戸市、大洗町、鉾田市ほか」。大関五郎は山村暮鳥の有力な支援者の一人。野口雨情ともつながりがある。少しでも人となりを知りたい人間には、のどから手が出る「資料」だ。
手元に置きたい。1月中旬、窓口の女子行員を介して1月号が余っていないか聞いた。「余分にはない」という答えだった。
2月1日。どうしても我慢ができなくて、再度申し出た。「コピーだけでもいい。すぐ戻すので、借りることはできないか」。後ろのデスクにいる先輩行員となにやら相談していると、1人が奥へ行って「1冊ありました」と持って来てくれた。
受け取るやいなや、「ありがとうございます」と言って銀行をあとにした。それから、はたと気がついた。当然のようにもらってきたが、それでよかったのかどうか。
すでに2月号が出たとはいえ、「定価250円」のバックナンバーであることに変わりはない。うれしくなって我を忘れてしまった――といえばその通りだが、ここは常陽さんにググッとさがって、おすわりして感謝するしかない。きちんといわきから大関五郎を読み解きますから、と。
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1 件のコメント:
はずかしいですが、私も似たような思いをたびたびしています。歳をとると図々しくなるのが、幸いしていますが。
大関五郎の名前はどこかで見たことはありますが、雨情関係を別にすれば、藤井清水の曲の作詞者名かと思います。。。
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