2012年2月18日土曜日
雪だ!
きのう(2月17日)の朝、いわきの平地の人たちは目を見張ったことだろう。向かいの家の屋根に、庭に、車に雪が積もっている=写真。フエイスブックには市内各地の雪の写真が続々とアップされた。リアルタイムでいわきの雪情報が入った。
雪が積もると、決まって思い出すことがある。岩手県出身の男がいわきで画家になった。いわきは、冬は青空続き。雪はめったに降らない。そんないわきになじんだ男が雪の降った日、坂道ですってんころりんとなった。風土に培われた身体感覚を、つまり自分の内にあった雪の文化を失った。そういう意味のことを述懐したものだ。
冬はそんなに雪が積もらないものの、霜焼けができるほど寒い阿武隈高地で生まれ育った人間には、なんとなくわかるつぶやきだった。画家はそのあと病にたおれ、64歳で鬼籍に入った。
今年はこちらがその年齢になる。風土の違いによるすってんころりんが、年齢の違いによるすってんころりんに変わりつつある。そういうイメージが脳裏に浮かぶ。身体が加齢に伴う注意信号を発しているのかもしれない。
水を飲む。むせる。のどの筋肉が衰えたことを自覚する。こたつから立ち上がったときに座布団を踏み外さないように注意する。転んで頭や背・肩・胸をぶったらことだ。サンダルを履くときにもちゃんと足が入るように意識する。転んだら足の指を骨折しかねない。2階から降りるときには必ず手すりをつかむ。前にはなかった注意行動だ。
さて、雪の話に戻れば――。いわきの平地の雪は、春が近づいているシグナルでもある。雪に覆われると放射線量の数値が下がる、といわれている。日が照って車の屋根から雪が消えた昼前、線量計を持って夏井川へ出かけた。
堤防と河川敷のヨシ原で2月5日、野焼きが行われた(これには屈託がある)。雪のない焦げた地面と、うっすら雪の残る地面を測る。雪なし0・67~雪あり0・50マイクロシーベルト/時。はっきりした違いはみられなかった。そばの岸でダンプカーが川砂を運んでいる。そこの川砂は、前に測ったら0・19程度だった。
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