2012年2月19日日曜日

春のきざし


「ケンケーン」。きのう(2月18日)の朝、夏井川の堤防を歩いていると、河川敷からキジの鳴き声が聞こえてきた。冬の間は姿を見せても沈黙し、時折、枯れヨシ原の奥で「ゲゴッ」とか「ググッ」とかいった地鳴きを発するだけだったのが、縄張りを宣言する「ケンケーン」に変わった。春がきざしたのだ。

少し行くと、モズが電線に止まっているのが目に留まった。近くにもう1羽。1羽が飛び立つと、もう1羽が後を追った。渡った対岸からさえずりが聞こえる。「キチキチキチ」、合間に「チュチュチュチュチュチュ」。こちらも繁殖行動を開始したのだろうか。

最近、堤防のそばの遊園地に無人式固定型放射線量計(リアルタイム線量計)が設置された。きのうも数値を確かめて歩き出すと、カラスが白い布のようなものを加えてそばの電線に止まった=写真。遊び戯れているだけなのか、それとも巣の材料に使うのにどこからか失敬してきたのか。

鳥たちは早春の光を受けて春機を発動させ始めたようだ。寒暖の波は続いても、季節は一歩前へと向かっている。堤防のへりの梅の木も、例年よりは遅いが一輪、また一輪と花を開き始めた。ずっと上流の夏井川渓谷でもハンノキが赤黒い花穂を垂らしていることだろう。もう春がきたことは、人間以外の生きものはわかっているのだ。

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