2012年11月13日火曜日

ツキヨタケ群生


ツキヨタケは毒キノコだから、むろん食べない。が、成長したものはホットケーキより大きい。夏井川渓谷にそれが群生していた=写真

11月11日の日曜日、夏井川渓谷紅葉ウオーキングフェスタが行われた。集散会場は週末だけの半住民である私のヤド(無量庵)の隣の錦展望台。「森の案内人」として初回からフェスタにかかわっていることを、きのう書いた。

去年、支流・中川渓谷沿いの“スーパー林道”を行って戻る「りんどうコース」(ウオーキング)が新設された。そちらでもよかったのだが、対岸の森を巡る、当初からの「あかやしおコース」(トレッキング)の案内人の一人になった。4班編成で、2班の参加者18人とともに森の中を巡った。

義父が建てた無量庵の管理人を買って出て、土日を過ごすようになってから十数年がたつ。来れば必ず対岸の森を巡った。900回は足を踏み入れただろう。現役を退いた今は、かえって週末が忙しくなった。大震災後は原発事故の影響と時間がないこともあって、“週末別居“も、森を巡ることも忘れてしまった。

トレッキングの案内人になった以上は、体が覚えている森のできごとを伝えたい。参加者に3・11で岩盤が崩落したこと、赤松が松くい虫にやられていっぱい立ち枯れていることなどを、“現物”を前に説明しながら歩いた。いや、“現物”を見るとよみがえる記憶を語って聞かせたくなるのだった。

ツキヨタケは、何年もチェックしている倒木に群生していたので、すぐわかった。ほかにも1カ所、ツキヨタケの群生している倒木があった。

出発前、同じ案内人を務めた地元・牛小川の知人たちとひさしぶりに言葉を交わした。キノコの話をしたが、表情がさえない。野生キノコは採取も、出荷も自粛を要請されている。マツタケも採っていないのだろう。毒であってもツキヨタケに出合えたことを喜びとするしかない。

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