旅の効用だろう。東南アジア諸国連合と日中韓の首脳会議がプノンペンで開かれた、というニュースに、カンボジアの自然・人間・遺跡群、なかでも「東洋のモナリザ」と称される「バンテアイ・スレイ」の女神のレリーフ=写真=がパッと思い浮かんだ。
9月中旬の後半、学生時代の仲間とベトナム・カンボジアを旅した。カンボジアではプノンペンの北方、シェムリアップのホテルに泊まり、アンコールの遺跡群を見て回った。
実質二日の初日、アンコールワットの「夜明け」を体験した。雨季の終わり、つまり雨がとめどなく降ってくる時期。曇っていて朝日は拝めなかったが、間もなく降ったりやんだりの一日になった。次の日もそうだった。
アンコールワットの夜明け体験のあと、ホテルに戻って朝食をとり、最初に出かけた遺跡が「バンテアイ・スレイ」だった。「東洋のモナリザ」たちがほほえんでいる。実際、心が吸い寄せられ、見ほれた。右手で傘をさし、左手で写真を撮る。斜めになった。しかたない。
この遺跡は10世紀につくられたという。ほほえみをたたえた女神は時間を超えて美しい。そこが魅力の源泉なのだろう。
旅行者の共通した心理だと思うが、帰国したあともその国のことが気になる。テレビについていえば、ついつい旅行番組を見てしまう。北欧、台湾、ベトナム、カンボジア。観光というのはそういうものなのだろう。
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