2012年11月22日木曜日

リンドウの庭


庭のリンドウが花盛りだった=写真。亡くなってもう10年。懇意にしていたドクターの家を訪ね、線香をたむけた。

昨年は3・11後、ずっと「非常時」のままだった(今もその感覚に変わりはないが)。命日の11月15日を前に、奥さんから電話があった。「用事があって留守にするから」。没後、初めて焼香を休んだ。

3・11後、知り合いから連絡があれば、何でも取りに行く。洗濯機や衣類、ふとん、本……。衣類などは津波被災者と原発避難者に回す。奥さんからは、その前からときどき連絡があった。ドクターの蔵書を「整理したので」。シャプラニールの「ステナイ生活」に送った。

今度もカミサンが電話をすると、布団と座布団があるという。命日には用事があるというので、きのう(11月21日)、焼香を兼ねて取りに行った。

ドクターに出会うまではステロタイプ的にこう思っていた。医師は仕事が終わると、ストレスを発散するために田町へ行く。田町は、いわき市の代表的な飲み屋街だ。が、ドクターは違っていた。自宅にこもって読書に費やす。もちろん晩酌もする。蔵書から、そうした生活が容易に想像できた。そのうちの何冊かが手元にある。

11月15日は七五三の日。それで、必ずドクターを思い出し、ドクターの家の庭に咲くリンドウを思い出す。私的には「竜胆(りんどう)忌」の日だ。リンドウの青紫色が鮮やかだった。

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