2012年11月30日金曜日

ツワブキの花


海岸のがけでこの時期、黄色い花を咲かせるものがある。ツワブキだと教えられたのは、もう三十数年も前のこと。すると、内陸部の民家の庭にも咲いているのが目に入る=写真。いわきでは結構、庭に植えられているのではないか。

わが家は米屋(カミサンの実家)の支店。店はカミサンが仕切る。店では、米のほかにちょっとしたつまみのようなものも売っている。仕入れ先は静岡の食品会社。ファクスで発注すると宅配便で届く。その会社からルートセールスの社員が来訪した。何の脈絡もないが、ツワブキは暖地の植物、彼も暖地の人間、などと思う。珍客だからだろう。

年に2回、顔を見せるのだという。スーパーなどの大規模店ではなく、幹線道路沿いの小売店を相手に取引をしている、地道な会社だ。昨年は3・11を受けて、お得意さん回りを中止した。3・11後、初の来訪だ。カミサンとしばらく話していた。

カミサンが、彼の話をかいつまんでいう。福島、宮城、岩手、そして青森までのお得意さんを巡って、津波被害の大きさを実感した。津波で店が流されたり、亡くなったり……。しかし、津波被害を免れた住民の要望で、プレハブ店舗で営業を再開したお得意さんもいる。そんな話を聴くと元気が出る。

そして、ここが肝心なのだが、静岡県には浜岡原発がある。津波被害に遭った東北を、さらに原発避難を余儀なくされた福島を自分の目で見て、それが静岡で起きたらどうなるか、を体で感じたらしい。静岡と福島を結ぶ、こうした細い回路も“当事者”には大切になる。

0 件のコメント: