2012年11月1日木曜日

空き地が増える街なか


これまでにも何度か書いたことだが、いわきのマチ(内陸部)では震災家屋の解体作業が続いている。いわき駅を扇のかなめとした中心市街地で解体―更地(空き地)が目に見えるようになったのは、去年の初夏あたりから。本町通りの文化財的建築物である「ナカノ洋品店」がその象徴だった。

以来、ポツリ、ポツリと街なかに空き地が増えた。今年の3月下旬、わが家と中心市街地の往復に利用する国道6号五色町交差点の角地が空き地になっているのが目に入った=写真。信号待ちを利用してパチリとやった。個人営業のスーパーだった。建物があるときには、むろん公衆電話は見えなかった。

いつも通る道、たまに通る道、めったに通らない道と、どこを通っても解体後の空き地が見られる。五色町の場合はそこに店があると承知していたから、空き地になっても以前の姿を思い浮かべることができた。が、単に行きずりの道では、わが家に近いところであっても前にどんな建物があったか、さっぱり思い出せない。かかわりが薄いとそうなる。

いわき駅周辺は「ビフォー・アフター」が鮮明だ。櫛の歯が欠け始めたような状態、と言ったら言い過ぎか。元職場(駅の西側=並木通り)の前の建物が2棟、更地になった。日常的にともにあった人・店の記憶がむしばまれているような感じを受けた。

きのう(10月31日)知ったことだが、この冬、いわき駅前大通りのケヤキ並木を利用した「いわきの光さくらまつりLEDイルミネーション整備事業」が展開される。いわき青年会議所が主催し、南双葉、浪江両青年会議所が共催する。

「光のさくらイルミネーション」は富岡町・夜ノ森の桜並木をイメージしたものだ。双葉郡から避難している人たちといわき市民との「協和」も目指すという。

期間中、にぎわい創出のためのさまざまなイベントが繰り広げられる。空き地・空き店舗が増えて、中心市街地の景観が変わりつつある中、発想を変えて新しい花を咲かせよう、人を呼ぼう、というわけだ。イルミネーションで心があったかくなる、いわきの新しい冬の風物詩になるといい。

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