「ちゃんと『せどがろ』とルビが振ってあるよ」。年末、わが家の近くのゲストハウス(故義伯父の家)で“ミニ同級会”を開いたとき、東京の仲間が読売新聞の夕刊を持参して言う。
昨年(2017年)11月30日に掲載された、<みなみらんぼうの一歩二歩山歩――第965話 背戸峨廊(福島)>だ=写真。みなみさんは「山口さんちのツトム君」で知られるシンガーソングライター。低山ハイクが趣味で、昔はテレビ番組にも出演していた。確かめたら、NHK教育テレビ「中高年のための登山学」(1995年)で、岩崎元郎さんが先生だった。
みなみさんは、10月に台風21号が襲来し、背戸峨廊の登山道に架かる橋が流されたあと、チームで入渓した。その2日後の11月7日、トッカケの滝から先は入山が禁止された。今は復旧している。
「せとがろう」ではなく、本来の「せどがろ」とルビを振れるのは、地元の人々の話を素直に受け止める度量があるからだろう。
「せどがろ」から遠いナショナルメディア(全国紙・キー局)は、「せどがろ」にはなじみが薄い。地元の行政などの公式情報は今や「せどがろ」になっている。それに従うのになんの問題もない。コミュニティメディア(地域紙・FM放送)も臨機応変だ。ところが、ローカルメディア(県紙・テレビ局)はどうか。なまじ、いわき経験者がデスクにいる、校閲係になる――で、間違いを更新できないでいるのかもしれない。
いずれにしても、ローカルメディアに対しては「せどがろ」の包囲網ができた。NHKはすでに「せどがろ」に変わった。県紙が「せどがろ」とルビを振る日が待ち遠しい。
0 件のコメント:
コメントを投稿