2023年10月10日火曜日

シルバーリハビリ体操

                     
 それは突然、向こうからやってきた。――シルバーリハビリ体操の体験会と意見交換会を開く。ついては地域の住民に知らせるため、回覧チラシを配ってほしい。

 主催はいわき市の平地域包括支援センター。高齢者が住み慣れた地域でずっと生活できるよう、介護・健康・福祉・医療などの相談を受け、支援を行っている組織だという。

 回覧配布だけでなく、地域ケア会議(つまりは体験会と意見交換会)に出席を、という案内もきた。

 体験会の当日、時間に合わせて会場へ行くと、そばの県営住宅に住む年配の女性を中心に、数人が集まった。私のほかには顔見知りの民生委員が2人参加した。

 まずはシルバーリハビリ体操を体験する。全員に介護予防のためのリハビリ体操を図解した4種類のリーフレットが配られた=写真。

 内容は①いすに座って②床に座って、寝て③立って――行う体操のほか、④嚥下(えんげ)・失禁を予防――する体操が紹介されている。

 具体的には、肩こり予防、腕の力をつける、腰痛予防、転倒予防などで、体操指導士にならって体を動かした。

 長い距離の散歩はしないようにと、かかりつけ医から言われている。で、自宅で時折、足踏みをしているが、それだけではやはり足りない。筋肉が細り、硬直しているのがわかる。

 シルバーリハビリ体操を経験して、これなら長続きできると直感した。覚えてしまえば、どこでも、いつでも気がむいたときにできる。家の中で、ドライブの小休止に、家庭菜園で。

 たとえば、肩こり予防。指を組んでひじを伸ばす→ゆっくりと両腕を頭上に上げて十分に伸ばす→手のひらを頭にのせる→ひじを後ろへ引き、胸を張る。

 同じ肩こり予防の別パターン。ひじが上下に重なるように両肩をつかむ→さらに顔の高さまで組んだ腕を上げる→両肩を抱くようにして肩甲骨の間を伸ばす→体をゆっくり左右にひねる。

正確には公開されている動画を参考にしてもらうしかないが、この体操が食事や家事と同じルーティンになれば、使っていなかった筋肉がほぐれ、維持・向上されて老化を遅らせることはできる(だろう)。

床に座って行う体操では股関節のケア、腰痛予防に興味を持った。ときどき腰が重く、痛くなる。そうならないよう、足や股関節とその周囲の筋肉をやわらかくする、腰回りの筋肉をつける――。

なるほど、年齢に応じた軽い体操をよく考案したものだ。というのは、学生時代、陸上競技部に所属していたため、スクワットに似た準備運動しか思い浮かばず、それではすぐ息が切れてしまうと、二の足を踏んでいたのだった。

階段や段差だけでなく、座布団のへりを踏みはずしただけでも転倒しかねない。家の中にあるものが便利で危険なほど、筋肉が衰えていることを自覚する年齢になった。

これからもずっと歩いて過ごせるよう、つまり普通に生活できるよう、このリハビリ体操は、シルバーには有用であることをあらためて実感した。

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