2023年10月4日水曜日

やな場が浮上

        
 残暑の9月から秋冷の10月へ――。

 月曜日(10月2日)の昼前、街で用をすませたあと、いつものように夏井川の堤防を利用してウチへ戻った。

 右岸の平・山崎から左岸の同・中神谷にかかるサケのやなが水面から浮上し、鮭増殖組合の人がひとり、やなにひっかかったごみを下流に流していた=写真。

 やなはすだれのような鉄板だ。これがドラム缶の浮力を利用して、斜めにすき間なく並べられる。

右岸には鉄柵の生簀(いけす)がやなに接続して設けられてある。やなで遡上を遮り、生簀にサケを誘導して、玉網(たも)ですくい揚げ、下流の孵化場へ運ぶ、という仕組みだ。

秋が深まると、組合員がやなの直下で投網を打つ、といったことも行われるのだが、今季はまだ見ていない。

台風13号が接近した9月8日に線状降水帯が発生し、夜が更けるにつれて大雨になった。

後日、夏井川の堤防を通ったら、やなのある所に水の段差ができていた。それで、今年(2023年)は9月前半にやなが設けられた(あるいはつくりかけの途中だった)ことを知った。その後も堤防を通ったが、やなは沈んだままだった。

 カレンダーが10月に替わって2日目。川はいつもの水かさに戻っていた。やなの全体を今季初めて目にした。同時に、大水がもたらした流木や漂着ごみに思いが巡った。

 内郷を中心にした水害とは別に、夏井川本流の河川敷には上流から流れ着いたごみが至る所に残る。

 やな場の下流、河川敷が広がる左岸・調練場のサイクリングロードには一部、土砂が堆積していた。令和元年東日本台風のときには、やはり同じ所が1メートル近く土砂で埋まった。

 そこからちょっと下流、市北部浄化センターの排水口付近のサイクリングロードは、4年前、延々と50メートル近く残留ごみの山ができた。

 その後、岸辺の竹林が伐採されたとはいえ、今度の大水でも部分的に残留ごみのかたまりができた。土砂も、残留ごみも同じ所にたまるものらしい。

 実は前日の日曜日午後、道の駅よつくら港へ出かけ、昼食と買い物をすませたあと、海寄りの道を利用して帰宅した。

 夏井川河口がどうなっているか、それを確かめたかったからだが、大水で抜けた河口は前のように勢いが失せ、右岸でかろうじて海につながっていた。

 それはそれとして、秋の彼岸を境に、半そで・半ズボンからサマーカーディガン・長ズボンに衣替えをした。朝晩だけでなく、日中も風の冷たいときがある。

 サケのやな場に人がうごめくようになると、ハクチョウがやって来る。早いと10月初旬には姿を見せる。今年は残暑が長引いたからそう早くは飛来しないのではないか、と思っても、秋冷はいきなり深まるかもしれない。

この3カ月間の暑さはすっかり遠ざかり、ハクチョウ飛来のカウントダウンが始まった。

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