2023年10月3日火曜日

メーンは刺し身

           
 いわきでカツオの刺し身を食べる――。これを目的に、夏井川渓谷の隠居で一泊ミニ同級会を開いてきた。

 この3年はコロナ禍のために顔を合わせるのもままならなかった。今年(2023年)5月、新型コロナウイルス感染症が季節性インフルエンザと同じ「5類」になったのを機に、ミニ同級会を再開した。

 平高専(現・福島高専)が開校して3年目。主に福島県内各地から集まった15歳の少年は今や74~75歳、あらまし後期高齢者の仲間入りをした。

 郡山市に住む同級生が幹事になって仲間に呼びかけた。手を挙げたのは東京、横浜のほか、県内の二本松、私らいわきの3人の計7人。いつものメンバーではある。

 幹事は9月最初の土曜日を予定していたが、私の都合で最後の土曜日(9月30日)に変更した。

 どこかの旅館で、上げ膳据え膳で飲むようなわけにはいかない。幹事と私とで飲み物・食べ物を分担して買いそろえる。といっても、私は刺し身と焼酎、醤油その他の調味料担当だ。缶ビール・日本酒・つまみなどは幹事が調達した。

毎週日曜日、同じ魚屋さんにカツオの刺し身を買いに行く。そのとき、カツ刺し一皿、カツオ以外の刺し身一皿を予約した。

 飲み会は、午後5時前には始まる。3時に幹事が首都圏の2人をいわき駅からピックアップするというので、2時には刺し身を受け取り、3時前には隠居に着いて下準備をした。

 7人全員が座卓についたところで刺し身を出す=写真。「きょうのカツオはすばらしいです、独りで食べてください」。魚屋の若だんなが太鼓判を押した。もちろん、そんなわけにはいかないが、彼が自慢するだけの逸品ではあった。

もう一皿は、ヒラメ・タイ・イカ・タコの刺し身。カツオの赤身に対して、さっぱりした白身の盛り合わせだ。特にイカは新鮮で、コリコリとして、いい口直しになった。

4年ぶりの再会といっても、二本松の人間を除いて私のブログを読んでいるから、こちらの日常はあらかた承知している。

「カツオの刺し身を食べたかった。(ハマ育ちだから)味は知っている」「ネギはどのくらい栽培しているのか」などと、試すような口ぶりが続く。

ほかにも、庭の草を刈ってくれる後輩のこと、9月の線状降水帯によるいわきの水害のことなどに話が及んだ。

7人のうち4人は寮生活経験者だ。いっとき、家族以上に濃密な時間を共有したこともあって、言葉のやりとりには遠慮がない。

その点は学生時代のままだったが……。立ち上がるときには、だれもがつい「よっこらしょ」の姿勢になる。4年前には考えられなかった動作だ。

わが家の近くに義伯父(故人)の家がある。ここで飲み会を経験した仲間もいる。食堂にはテーブルがある。いすに座って飲み食いができる。少なくとも動き回るのに、「よっこらしょ」とやる必要はない。

「おじさんの家もいいか」。帰宅したあと、賛同する声があったことをカミサンに告げると、「やっぱり」といった表情になった。

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